IMFの5回目評価も良好、好調な資源輸出が背景に

(モンゴル)

北京発

2018年08月28日

IMFの評価チームが7月25日から8月6日にかけてウランバートルを訪問し、モンゴル政府がIMFの拡大信用供与措置(EFF、注)の枠組みに基づき実施している財政改革など各種政策について5回目の評価を行い、暫定結果を8月7日に発表した。

IMF側とモンゴル政府は、EFFプログラムの実施状況、モンゴル経済の中期的見通しおよび債務の持続可能性、金融システムの回復、貧困層も恩恵を受けられるような「質の高い経済成長」で必要な政策・構造改革について協議した。

IMF側はモンゴル経済について、「最近のマクロ経済は好調で、主要な目標を達成しており、脆弱(ぜいじゃく)性があるものの経済成長は回復している」とし、モンゴル政府の取り組みについても、「金融分野の回復、経済強靭(きょじん)化のための構造改革および金融政策に大きな進歩がみられた」と評価した。

評価が良好だった背景としては、第4回評価(2018年6月5日記事参照)に引き続き、モンゴルの資源輸出が好調で2018年上半期の輸出額が過去最高を記録したこと(図参照)や、主要商業銀行、特にゴロムト銀行、ハス銀行の自己資本比率および不良債権比率が改善したこと(表参照)が挙げられる。

図 上半期貿易額の推移
表 主要商業銀行の財務状況

(注)EFF(Extended Fund Facility)とは、抜本的な経済改革を必要とする中長期的な国際収支上の問題解決に取り組む加盟国を支援する措置のこと。モンゴルは、2017年5月24日にIMFから3年間で計3億1,450万5,400SDR(特別引き出し権、約4億3,430万ドル)の与信枠が割り当てられ、IMFが四半期ごとに融資継続の可否を審議している。今回の評価結果は、IMF理事会での審議を経て最終的なものとなる。

(藤井一範)

(モンゴル)

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