エルサルバドルが台湾と断交、中国と国交樹立

(エルサルバドル、中国、台湾)

米州課

2018年08月22日

エルサルバドルのサルバドール・サンチェス・セレン大統領は8月20日、台湾との外交関係を断絶し、中国と国交を樹立したと発表した。サンチェス大統領はカルロス・カスタネダ外相、メダルド・ゴンサレス書記長とともに北京を訪れ、「エルサルバドルは『1つの中国』を承認し、中国との国交を樹立する」との共同声明に署名した。またエルサルバドル大統領府のプレスリリースで、両国領土内に早急に大使館を設置し、貿易・投資、インフラ開発、科学技術、医療、観光といった分野の振興を目指すと発表した。

中南米では歴史的に台湾との外交関係を持つ国が多い。南米ではパラグアイ、中米カリブではエルサルバドルを除くとグアテマラ、ニカラグア、ホンジュラス、ベリーズ、ハイチ、セントクリストファー・ネイビス、セントビンセント・グレナディーン、セントルシアの計9カ国。これまでコスタリカが2007年6月1日、パナマが2017年6月12日、ドミニカ共和国が4月30日に台湾と断交し、中国との国交を樹立している。パナマでは国交樹立1周年を機に2国間自由貿易協定(FTA)締結に向けた協議が開始された(2018年6月19日記事参照)。

台湾の蔡英文総統は毎年、中南米を数カ国歴訪し外交関係の安定に努めており、2018年は8月15日にパラグアイのマリオ・アブド・ベニテス新大統領の就任式に出席した。首脳会談ではベニテス大統領が10月に台湾を訪問することが発表された。

(志賀大祐)

(エルサルバドル、中国、台湾)

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