中国国際紡織機械展覧会が上海で開催

(中国)

上海発

2018年10月25日

「中国国際紡織機械展覧会」(以下、展覧会)が10月15~19日に、上海で開催された。繊維機械の主要な国際展覧会としては、4年に1回欧州で「国際繊維機械展覧会」が、2年に1回中国で「中国国際紡織機械展覧会」が開催されている。

今回の展覧会は、11月5~10日に「第1回中国国際輸入博覧会」が開催される国際会展中心で開かれた。中国、ドイツ、日本、イタリア、スイスなど世界28カ国・地域から約1,700企業が参加し、展示面積は18万平方メートルと過去最大規模の展示会となった。日本からも、豊田自動織機、村田機械、津田駒工業など40社近い企業が出展した。

日本の繊維機械は95%が海外に輸出・販売されており、中国をはじめアジア各国にも多く販売されている。中国では環境規制の強化により、排水規制への対応、水使用量の削減を進める必要があり、加えて人件費の高騰や人手不足への対応もあり、環境性能や自動化の進んだ日本製の繊維機械に対する需要が高まっている。こうした状況下、中国企業の中には、製造拠点を中国外へ移転する動きもあり、中国企業に販売しても、実際の機械納入先はASEANやインド、バングラデシュなど南アジアとなるケースも多い。

イノベーションと知的財産のセミナーも

今回、展覧会の関連イベントとして、日本繊維機械協会と中国紡織機械協会が「繊維機械におけるイノベーションと知的財産保護に関するセミナー」を開催した(ジェトロ上海事務所後援)。セミナーでは、中国の法律事務所が中国における繊維機械関連の知的財産に関する判例を紹介したほか、日本と中国およびイタリア企業がイノベーションの発展と知的財産保護戦略をテーマとした発表を行った。

関係者からは、これまで繊維関連の知的財産権の問題は、衣服のブランド商標に関するものが多かったが、最近は紡織繊維機械の模倣に関する事案が多くなってきているとの話も聞かれ、市場にマッチした機器の開発・導入を進めていく際も知的財産の保護が重要なことがあらためて浮き彫りになった。

写真 展覧会入り口の様子(ジェトロ撮影)
写真 日本企業の出展ブース(ジェトロ撮影)
写真 セミナー会場の様子(ジェトロ撮影)

(天野沙羅、高橋大輔)

(中国)

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