広汽乗用車、サウジ市場に進出

(中国、サウジアラビア)

広州発

2018年11月21日

自動車メーカーの広州汽車集団乗用車(以下、広汽乗用車)(本社:広東省広州市)は11月4日、サウジアラビアで現地進出式典を開催した。サウジアラビア市場には自社ブランド「伝祺(トランプチ)」のセダンタイプのGA8、スポーツ用多目的車(SUV)タイプのGS4、GS8、などを投入する。現地のアルジョマイグループを代理店とし、リヤド、ジッダ、ダンマンに計4カ所の販売・サービスセンターを開店する。広汽乗用車によれば、今回投入する車種は厳しい品質試験を経ており、中東地域の消費者に最も優れた品質とサービスを提供できるとしている。

式典には、アルジョマイのシャイフ・ハマド・アルジョマイ取締役会長、シャイフ・イブラヒム・アルジョマイ最高経営責任者(CEO)、広汽乗用車の郁俊総経理、在サウジアラビア中国大使館の李華新大使らが出席した。

中国で高い人気の「トランプチ」

広汽乗用車は、トヨタやホンダと合弁を組む広州汽車集団の自社ブランド車製造・販売子会社で、2008年に設立された。2010年にアルファロメオのシャーシを応用したトランプチを発売、優れたデザイン、高い品質、手頃な価格などから急速に売り上げを伸ばした。市場調達・コンサルティングのJD.Powerによる中国自動車品質調査では、国内ブランドの中でトランプチは6年連続1位を獲得している。

広汽乗用車の2018年1~10月の販売台数は前年同期比4.5%増の44万760台。中国自動車工業会によれば、2018年1~9月の国内SUV販売台数で、同社のGS4は18万8,179台で5位となっている。

2017年の海外販売台数は6割増

トランプチは既にアフリカ、中東、東欧各国で販売され、2019年第4四半期には米国市場参入を目指すなど海外展開を強化している。これに伴い、広州汽車集団の2017年の海外販売台数も63.3%増の2万1,400台と大きく増加している。

なお、国際自動車工業会(OICA)によれば、2017年のサウジアラビアの自動車販売台数は前年比16.4%減の54万8,250台とされ、2016年から2年連続で前年を下回っている。

(河野円洋)

(中国、サウジアラビア)

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