2019年度国家予算が承認、過去最高を更新

(サウジアラビア)

リヤド発

2018年12月25日

サウジアラビアの2019年度国家予算が2018年12月18日に開催された閣議で承認された。2019年度の歳入は前年度比9.0%増の9,750億リヤル(約29兆2,500億円、1リヤル=約30円)、歳出額は7.3%増の1兆1,060億リヤルとなった(表参照)。予算規模は過去最高を更新した。

表 2019年度予算の歳入・歳出額内訳

5年連続の赤字予算となったものの、サウジ国営通信(SPA)によると、2019年度の赤字幅は財政改革の進展に伴い、2018年度見込みの1,360億リヤルよりも少ない1,310億リヤルの見込み。石油部門の収入が2018年度の6,070億リヤルから6,620億リヤルに増加することが見込まれるほか、外国人に課されている人頭税、2018年度から導入している付加価値税(VAT)5%、光熱水費の値上げに伴う補助金支出削減が奏功しているとみられる。また、2018年10月以降、VAT納税対象業者が年商100万リヤルから37万5,000リヤルに引き下げられたことも税収の増加につながる見込みだ。

他方で歳出は、国家改革「ビジョン2030」下での各種インフラ需要、政府サービスの拡充などにより、引き続き支出増が見込まれる。また、公務員・軍関係者に対する月額1,000リヤル、年金受給者に対する月額500リヤルの特別手当の支給延長も決定された。歳出を支出項目別にみると、教育の割合が17.5%と最大で、軍事部門の17.3%、保健・社会福祉の15.6%がそれに続く(図参照)。

図 2019年度予算歳出額内訳

(柴田美穂)

(サウジアラビア)

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