2019年の実質GDP成長率予測を1.4%に下方修正

(ベルギー)

ブリュッセル発

2018年12月26日

ベルギー国立銀行(NBB、中央銀行)は12月17日、2021年までの経済見通しを発表した。それによると、2018年、2019年のベルギーの実質GDP成長率はそれぞれ1.5%、1.4%となる見込み(表参照)。2018年の実質GDP成長率は、2018年6月に発表した前回の予測から据え置かれたが、2019年については0.1ポイント下方修正された。

2021年までのベルギー経済は、家計の購買力の増大に支えられた個人消費の拡大によって牽引されるものの、(1)企業による投資の縮小、(2)価格競争力の低下による輸出の鈍化、などを受けて穏やかに減速するとしている。

2018年のベルギーの失業率は、2001年以来の非常に低い水準の6.3%に達する見通し。経済活動の減速と、賃金の上昇を受けて、2019年以降の雇用は停滞し、失業率は横ばいとなる見込みだ。また、労働市場の「人手不足」は続くため、欠員の補充は難しいと指摘している。

消費者物価指数上昇率は、エネルギー価格の上昇に沿って2018年に2.4%になった後、2019年に低下し、2.0%となる見通しだ。

2018年のベルギー政府の財政収支は、2017年よりもGDP比で0.1ポイント改善し、0.8%の赤字となる見込みだ。その後、赤字のGDP比が2019年に0.8ポイント拡大して、1.6%となった後、2021年までに2.0%まで拡大すると予測する。

表 ベルギーの主要経済指標

ベルギーでは、法人税が申告年2019年(2018年1月1日以降に開始する事業年度)から、従来の33%が29%に改正された。ベルギー国立銀行は、この法人税改正が今後のベルギー経済に及ぼす影響は不透明、としている。

(大中登紀子)

(ベルギー)

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