香港のスタートアップ企業数は2,625社に

(香港)

香港発

2018年12月25日

香港投資推廣署(InvestHK:香港の投資誘致機関)は12月12日、香港に拠点を置くスタートアップ企業と外資系企業の動向に関する調査結果を公表した。香港のスタートアップ企業数は、前年比18%増の2,625社となった。香港の主要なコワーキングスペースおよびインキュベーター施設に入居しているスタートアップ企業が対象に含まれる。

スタートアップ企業、4年間で約2.5倍に

香港特別行政区政府の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は、イノベーションに積極的に取り組んでおり、その一環として、スタートアップ企業の育成にも力を入れている(2018年4月19日付地域・分析レポート参照)。2014年から2018年までの4年間に、香港のスタートアップ企業数は約2.5倍に増加した(図参照)。

図  香港のスタートアップ企業数の推移

スタートアップ企業の起業者を出身地別にみると、62%が香港人で、香港以外には英国、米国、中国本土、オーストラリアなど外国人による香港での起業も活発に行われている。

業種別では、フィンテック(16%)、eコマース・サプライチェーンマネジメント・物流テクノロジー(11%)、プロフェッショナル・コンサルタントサービス(11%)、情報、コンピュータおよびテクノロジー(10%)と、非テック系のスタートアップが目立つ。

InvestHKのスティーブン・フィリップス署長は「香港の地理的な優位性、良好なビジネス環境、そして金融都市としての国際的な地位が、世界からの投資を引き付けている」とし、「香港のスタートアップ企業は『一帯一路』戦略と広東・香港・マカオグレートベイエリア(粤港澳大湾区)計画から得られる新たなチャンスをつかもうとしている」と述べた。

在香港の外資系企業、中国本土企業が初のトップに

香港に拠点を置く外資系企業数は、前年比6.4%増の8,754社となった(表参照)。国・地域別では中国本土企業が1位(1,591社、25.9%増)で、InvestHKが統計を取り始めて以来、初めて最多となった。2位は日本企業(1,393社、1.1%増)、3位は米国企業(1,351社、2.9%増)の順だった。

表 親会社所在国・地域別の在香港外資系企業の拠点数推移

(吉田和仁)

(香港)

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