ニュージーランド政府、TPP11による輸出機会の増加を強調

(ニュージーランド)

オークランド発

2018年12月28日

ジャシンダ・アーダーン首相は11月18日、チリのセバスティアン・ピニェラ大統領の訪問を受けての首脳会談で、P4(太平洋間戦略経済連携協定)が環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)の実現に貢献したとし、チリがTPP11批准手続きを行っている点にも触れ、今後の両国間の貿易関係発展に対する期待感を表明した。

同首相は12月3日には、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の訪問の際、ニュージーランドにとって5番目の貿易相手国である韓国もTPP11に参加するよう促した。また、11月19日から21日に開催された「第45回日ニュージーランド経済人会合(JNZBC)」でも、ニュージーランド側の政府、民間の要人がTPP11交渉における日本のリーダーシップを高く評価した。

TPP11発効により、ニュージーランドにとっては日本、カナダ、メキシコと初めての自由貿易協定(FTA)締結となる。特に、加盟国の中で関税引き下げ額が最大となる日本に対しての期待感は大きい。ニュージーランド外務貿易省は12月30日の発効を前に、現時点で批准したニュージーランドを除く6カ国(オーストラリア、カナダ、日本、メキシコ、シンガポール、ベトナム)向けの協定内容のポイントを取りまとめ、輸出業者に対して公表した(添付資料参照)。関税削減だけでなく、サービス産業における政府調達へのアクセスや、自国商品がTPP11域内商品として組み込まれることによる輸出機会の増加などを強調している。日本企業にとっても、TPP11を活用することで、ニュージーランドあるいは他の加盟国との連携を通じた新たな販路開拓の足掛かりになる可能性がある。

(奥貴史)

(ニュージーランド)

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