サカタのタネ、アルゼンチンに現地法人を設立

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2018年12月17日

サカタのタネは12月3日、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで、現地法人サカタ・シード・アルゼンチンの開所式を催した。ブラジル、チリに続き南米では3カ所目の拠点となる。サカタのタネは、50年以上にわたりブロッコリーとカボチャ(バターナット・スクウォッシュ)の、アルゼンチンでのマーケット・リーダーとなってきたが、南米でのプレゼンスをさらに強化するためにも、4,000万ペソ(約1億2,000万円、1ペソ=約3円)以上の初期投資を行い、現地法人の開所に至った。

開所式に寄せた坂田宏社長のビデオメッセージによると、サカタ・シード・アルゼンチンは、ブロッコリーとカボチャの種に加え、トマトやトウガラシの種の販売拡大を目指すという。将来的にはアルゼンチンでの種子生産まで事業範囲を拡大する可能性もあるとした。

開所式に招かれたレアンドロ・サルキス・ブエノスアイレス州農産業大臣は「アルゼンチンは質の高い野菜を生産できる明確な兆候を示している」とし、「サカタのタネの技術が加われば、成長の可能性は非常に高い」と語った。福嶌教輝・駐アルゼンチン大使は、アルゼンチンで消費されるブロッコリーとカボチャの6割がサカタのタネの種子由来であることに触れ、G20首脳会議の際に安倍晋三首相がマウリシオ・マクリ大統領に語ったように、雇用の創出や技術の共有といった面でともに協力すれば、その割合は今後上昇し続けるだろうと述べた(「クラリン」紙12月4日)。

(高橋栞里)

(アルゼンチン)

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