第3四半期のGDP成長率は前年同期比5.7%

(ポーランド)

ワルシャワ発

2018年12月11日

ポーランド中央統計局(GUS)は11月30日、2018年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率(季節調整済み)を前年同期比5.7%、前期比1.7%と発表した(表参照)。前年同期比、前期比とも、速報値(11月14日発表)からの修正はなかった。2018年は第1四半期が前年同期比5.0%(2018年6月8日記事参照)、第2四半期は5.2%と5%台の高い成長率を記録し、10月3日には2017年の実質GDP成長率を4.8%とし、0.2ポイント上方修正している。

第3四半期を需要項目別にみると、個人消費が前年同期比4.5%増と引き続き好調だったほか、総固定資本形成(投資)は9.3%増と大きく伸びた。ヤドビガ・エミレビチ企業・技術相は「投資の成長率が比較的高いのは、ビジネスサイクルによるところが大きい。個人消費の成長は低金利と好調な家計によるものだ。第4四半期も年末に契約が成立して実行される投資の影響で、5%を超える成長率を予測している」とコメントした。

表 実質GDP成長率(前年同期比、季節調整済み)

ポーランド国立銀行(中央銀行)は11月時点で、2018年の実質GDP成長率を4.8%、2019年は3.6%、2020年は3.4%と予測している。2019年と2020年にかけて減速する背景として、個人消費と2014~2020年期のEU中期予算の執行による投資の好調は見込まれるものの、総固定資本形成の成長率がこれまでの水準には届かず減速することに言及。また、エネルギー価格の高騰、ユーロ圏の経済減速も経済成長の抑制要因として挙げている。

(深谷薫)

(ポーランド)

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