輸入品に対する為替換算レートを変更

(エジプト)

カイロ発

2018年12月11日

財務省は、12月1日から商品輸入時の為替換算レートを変更し、これまで全ての輸入品に適用されていた割引レートの対象を政府が定める必需品のみにすることを決定した。

財務省は2016年11月以降の自由変動相場制移行に伴う為替急落を受け、輸入品に対しては2017年1月から特別な為替レートを適用している。ここ数カ月は全ての商品輸入におけるレートは1ドル当たり16エジプト・ポンド(LE)に設定されていた。他方、為替市場では1ドル約17.9LEで安定しており、非必需品(ぜいたく品)には、中央銀行が示す前月の平均為替レートが適用される。

政府が定める非必需品は、葉巻、アルコール、ペットフード、化粧品などが該当する。乗用車の場合は完成車輸入が対象になるが、現地生産用の部品は対象外だ。一方、鶏肉やコメなど日常的な食料はこれまでどおり割引レートの対象になるが、報道によれば区分が不明な部分もあり、エビやキャビアは非必需品になるようだ。洋服については、消費者からの反発を考慮し、割引レート適用の可能性がある。

12月3日のモハメド財務相の声明によると、今回の措置の狙いは、エジプト製品の消費拡大と国内の産業発展、雇用拡大にある。しかし、企業関係者は突然の変更に頭を悩ませており、関税システムの対応が間に合っておらず、多くの輸入品が税関で止まっているという。

(常味高志)

(エジプト)

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