新興技術の輸出規制に関するパブコメ期間を延長

(米国)

ニューヨーク発

2018年12月17日

米国商務省産業安全保障局(BIS)は12月14日、輸出規制対象とする新興技術(emerging technologies)の特定方法に関して実施しているパブリックコメント(注)の終了日を当初の12月19日から2019年1月10日に変更した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

BISは、関係団体などからの要請を受け、パブコメ受付期間を延長することが適切と判断したとしている。情報技術産業協議会(ITI)、米国商工会議所、全米製造業協会(NAM)、米国自動車部品工業会(MEMA)、米国半導体工業会(SIA)、バイオテクノロジーイノベーション協会(BIO)などの主要な業界団体は11月28日、パブコメ期間の延長を求める書簡をBIS宛に発出PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)していた。今回のパブコメでは、バイオテクノロジーや人工知能、ロボットなど、幅広い技術分野が対象になっている。

大学は慎重に対応する姿勢

連邦政府のパブコメサイト(BIS-2018-0024)には2018年12月14日午後3時時点(米国東部時間)で24件のコメントが掲載外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますされている。個人による申請を除くと、多くのコメントがパブコメ期間の延長を要請している。

申請機関の顔ぶれをみると、大学輸出管理者協会(AUECO)を筆頭に、ハーバード大学、オハイオ州立大学、インディアナ大学、ミネソタ大学など、大学の研究部門が目立つ。これらの大学も、意見書提出に係る時間が少な過ぎるとして、申請機関の延長を求めていた。

なお、ハーバード大学外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、国家安全保障の保護や科学技術・エンジニアリング・製造分野における米国の技術的優位性の維持を追求することは支持するとしつつ、特定の新興技術に対して過度に厳しい規制を課せば、上記分野における米国の優位性を損なう可能性があると述べている。AUECOのウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、大学が輸出規制に抵触する場合として、(1)機密に関わる機器・ソフトウエア・微生物などの国外輸送、(2)非米国人に対する特定の非公開データやソースコードの開示(見なし輸出)、(3)米国の制裁対象地域への渡航と活動を例示している。

(注)同パブリックコメントの概要については、2018年11月22日記事参照

(鈴木敦)

(米国)

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