民間エコノミスト、2019年のインフレ率を28.7%と予想

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2019年01月18日

アルゼンチン中央銀行は1月3日、現地の民間エコノミストによる最新の経済見通しの集計値(REM)を発表した。前回(2018年12月4日)と比べて、2019年の消費者物価上昇率および政策金利の上昇幅は拡大するという予想となった。

発表によると、2019年の消費者物価上昇率の見通しは28.7%と前回値を1.2ポイント上回った。2018年12月27日に交通料金と公共サービス料金が立て続けに値上げされたことが背景にある。なお、2020年の見通しは19.9%(前回19.2%)と前回を0.7ポイント上回った。今回の発表では2021年の見通しも示され、エコノミストらの予測は15.0%だった。

為替レートについては、安定しているという見方が続いている。2019年1月は平均で1ドル=39.3ペソ(前回39.9ペソ)に落ち着くとしており、2019年末の見通しについては、48.3ペソ(48.5ペソ)とした。

政策金利に関しては、中銀の金融政策委員会(COPOM)が2018年12月5日、従前の下限値と定めていた60%からの引き下げを可能とするコミュニケを公表。12月末時点で59%だったが、2019年1月は平均で57%になるとしている。2019年末では38%(前回35%)まで下降するとみている。

GDP成長率の見通しは、2019年は前回と変わらずマイナス1.2%だった。一方、2020年と2021年はそれぞれ2.5%とプラス成長を見込んでいる。ちなみに、1月8日に世界銀行が発表した世界経済見通しでは、2019年のアルゼンチンのGDP成長率の見通しはマイナス1.7%だった。財政再建に向けた取り組み強化により政府支出が抑えられると、雇用の喪失や消費および投資が低減すると予想されるためだ。また、世界銀行の見通しによれば、2020年および2021年はそれぞれ2.7%、3.1%とされている。

(高橋栞里)

(アルゼンチン)

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