政府と中銀、金融部門に関する8つの振興策を発表
(メキシコ)
メキシコ発
2019年01月18日
メキシコの大蔵公債省と中央銀行は1月8日、金融部門の振興に関する8つのアクションプランを発表した。銀行・証券業界の深化や企業の資金調達の促進、決済手段の改善、貯蓄の促進および生産投資への活用を目的とするもので、活気に満ち、包摂的で、平等な経済成長を促進するための前提条件、と政府は位置付けている。
発表された8つのアクションプランは以下のとおり。1.~3.は中央銀行、4.~8.は大蔵公債省のアクションプラン。詳細は添付資料を参照。
- モバイル決済のためのプラットフォーム導入
- どの銀行でも使える給与担保ローンの導入
- レポ取引の拡大に向けた規制の現代化
- 証券市場への上場促進に向けたインセンティブの付与と外国居住者が得るメキシコ社債の利子に対する源泉課税の免除(100%税額控除)
- 年金基金など金融機関のレポ取引の柔軟化
- 年金基金の資金運用先多角化に向けた規制緩和
- 15~17歳の若者に対する金融機関口座開設の自由化
- 開発銀行の統合・機能強化
証券市場の活性化を目的とした政令を公布
上記アクションプランのうち、4.については同日付で政令を公布し、証券市場の活性化に向けた以下のインセンティブを翌日から付与している。詳細は添付資料を参照。
- 在メキシコ企業が証券市場で発行した社債の利子の外国居住者への送金に対する源泉課税(4.9%)の免除(100%税額控除)
- 新規公開株の譲渡益に対する減税措置(10%に軽減)
上記インセンティブについては、証券市場に上場する企業数を増やし、外国投資家などの証券投資を呼び込む効果があるとして評価する声が多い。メキシコにおける上場企業数は200社未満で、日本の3,600社超(2019年1月8日時点、日本取引所グループ)とは大きな開きがある。証券取引や株式の新規公開に対するインセンティブの付与で、証券市場の活性化が期待される。
(注)3.のレポ取引は債券の貸借取引で、金銭を担保として差し出す現金担保付き債券貸借取引。
(中畑貴雄)
(メキシコ)
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