GDP成長率見通し、2019、2020年とも4%を維持

(ペルー)

リマ発

2019年01月07日

ペルー中央準備銀行(BCR、中央銀行)は2018年12月21日、2018年から2020年にかけてのマクロ経済の見通しを発表した。その中で、2018年から2020年にかけての実質GDP成長率については、それぞれ4.0%の成長を維持し続けると予測している(表1参照)。

表1 需要項目別実質GDP成長率

産業分野別では、農畜産業が2017年のエルニーニョ現象による豪雨災害による低迷(2.6%)から大きく回復し、2018年は7.0%の成長を見込んでいる(表2参照)。特に、国内市場向けのコメやレモンと、輸出市場向けの果実や野菜の成長が主な牽引材料だ。2019年以降は、エルニーニョ現象の大きな影響がなければ、安定的に成長するとみられている。水産業は、2017年末のアンチョベータ(ペルーカタクチイワシ)漁の解禁が見送られたことによる不振から大きく回復し、2018年は第2シーズンの漁獲枠が拡大したこともあり、39.8%の高成長が期待されている。

表2 産業分野別実質GDP成長率予測

鉱業では、2018年は1.3%の減少が見込まれており、中国が投資するラスバンバスの銅鉱山における地滑り事故による生産量の低下と、カナダのBARRICKによるピエリナとラグナスノルテにおける金鉱山の、閉鎖と埋蔵量の減少が影響している。2019年については、メキシコSOUTHERNのトケパラ銅鉱山の生産拡大や、中国の首鋼集団(Shougang Group)による鉄鉱石生産の拡張により、5.3%の成長が見込まれている。基礎的製造業では、2018年は主に魚粉と魚油の生産量増加に後押しされ、13.9%の成長が見込まれているが、2019年はSOUTHERNが第1四半期にメンテナンスで生産を停止することと、アンチョベータ漁獲量の微減により、0.0%を見込んでいる。

一方、非基礎的製造業では、2018年は投資、輸出、国内消費の伸びによる生産量の増加に下支えされ、3.6%の成長が予測されている。国内需要の増加に伴い、2019年以降もほぼ同等の成長が期待されている。建設業では、2019年のパンアメリカン競技大会の開催地としての需要増加のほか、民間投資の増加も見込まれ、2018年(5.9%)、2019年(6.9%)、2020年(7.5%)と、いずれも好調な伸びが予測されている。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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