公共交通機関の運賃が一部引き上げへ

(ニュージーランド)

オークランド発

2019年01月31日

オークランド運輸局は1月21日、オークランド市内のバス、鉄道、フェリーの運賃を2月10日から変更すると発表した。バス、鉄道の場合、短距離区間では5~50セント値上げされる一方、長距離区間では運賃の据え置きもしくは10セントの値下げがなされる。当局は、運賃引き上げの理由として公共交通機関の利用増加に伴うコストの増大とする一方、インフレへの影響も考慮したと説明している。郊外での新規バスの路線の開設や週末の鉄道便数増加、フェリーの輸送容量増加などに伴い、2018年11月末までに、前年同期比5.2%増の9,560万回の移動が行われたと発表した。

一方、ニュージーランド政府は2018年12月に最低賃金の引き上げを発表した。現在の最低時給16.5ニュージーランド・ドル(約1,238円、NZドル、1NZ=約75円)が、2019年4月1日から17.7NZドルへ7.3%引き上げられる。政府は、2017年9月の連立政権発足時に、労働党とニュージーランド・ファースト党との合意に基づき、2020年4月には18.9NZドル、2021年4月には20NZドルに引き上げる意向を示している。当地の日系企業からは、「最低賃金引き上げに伴う会社全体の賃金上昇を検討する必要があり、とりわけ最低賃金が20ドルになると経営上厳しくなる」という声が寄せられている。

2018年第4四半期(10~12月)の消費者物価指数(CPI)は前年同期比で1.9%の上昇だったが、公共交通機関の運賃や最低賃金の引き上げなどがCPI上昇率に与える影響を注視していく必要がある。

(奥貴史)

(ニュージーランド)

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