2018年12月のCPIは前月比0.1%の下落に

(米国)

ニューヨーク発

2019年01月17日

米国労働省が1月11日に発表した2018年12月の消費者物価指数(CPI)は、前月比(季節調整値)0.1%の下落で(11月:0.0%上昇)、3月(0.1%下落)以来9カ月ぶりの下落となった。家賃(上昇率:0.3%)や医療サービス(0.4%)などが押し上げに寄与した一方で、ガソリン(下落率:7.5%)などが押し下げ要因となった。変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数は、前月比0.2%上昇した。

石油価格の下落がCPIとコア指数の伸びの差に影響

米連邦準備制度理事会(FRB)などが重視している、エネルギーと食料品を除いたコア指数を品目別にみると、医薬品(前月比:0.7%下落)や輸送サービス(0.2%下落)などが押し下げ要因になったものの、家賃や医療サービスなどが押し上げに寄与した。

前年同月比ではCPIは1.9%上昇となり、11月(2.2%上昇)から伸びが鈍化した。一方で、コア指数は2.2%上昇と、11月(2.2%上昇)から横ばいとなった。

コア指数に含まれない食料品は、前年同月比1.6%上昇(11月:1.4%上昇)と前月から上昇幅が拡大した一方で、エネルギーは0.3%下落(11月:3.1%上昇)と大幅に伸びが縮小したことから、CPIの上昇幅はコア指数の上昇幅を下回った。

アバディーン・スタンダード・インベストメンツの上級エコノミスト(世界経済担当)のジェームズ・マッキャン氏は「(需給の逼迫がみられる)最近の経済成長と力強い労働市場を背景として、(急激な)物価上昇に対する懸念の声も聞かれていたが、今回の結果をFRBは、物価上昇圧力がそれほど高まっていないことを示す、さらなる証拠として捉えるだろう」と指摘した(ロイター1月11日)。

(樫葉さくら)

(米国)

ビジネス短信 a7239d594ca93474