国営航空会社が経営危機

(タジキスタン)

欧州ロシアCIS課

2019年01月11日

タジキスタンの各メディアは1月10日、国営航空会社であるタジクエアー(タジキスタン航空)が全便の運航を中止し、全従業員に対して無給休暇に入るよう通告したと報じた。

タジクエアーはロシアや中央アジア諸国を中心とする13都市に就航。同社広報担当のアジズ・ハイルルロエフ氏によると、ロシア向けの航空券を購入済みの乗客については、2019年秋冬シーズンまでタジキスタンの民間航空会社「ソモン航空」が輸送業務を代行するとしている。現在、コヒル・ラスルゾダ首相を委員長とする政府委員会でタジクエアーの破産もしくは存続(救済)に関する検討が進められており、状況が改善(救済)した場合には従業員は業務に復帰すると述べている。

タジクエアーは以前から経営不振や債務超過に陥っており、政府は救済のため、機材輸入時の関税や付加価値税(VAT)の支払い減免(2018年1月)、支援プログラム策定(2018年9月)などの支援を行っている。しかし、2018年11月にエモマリ・ラフモン大統領は、同社が購入した中古航空機の価格が市場価格より大幅に高いと批判し、同社業務の検査を関係省庁に指示。2019年1月2日には、タジクエアーが採算の問題によって2019年1月からの運航計画を見直す必要があるとして、複数の都市向けの便の運航中止を突如発表。同社の経営をめぐる混乱が生じていた。

(高橋淳)

(タジキスタン)

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