2018年の自動車生産、日系メーカーのシェアが上昇

(カナダ)

トロント発

2019年02月12日

調査会社デロジエ・オートモーティブ・コンサルタントが1月31日に発表した統計によると、カナダの2018年の自動車生産台数は、前年比8.1%減の199万9,929台となった(表参照)。

前年まで3年連続首位のトヨタは、市場全体でのセダン需要の低迷や、同社が次世代スポーツ用多目的自動車(SUV)の「RAV4」へ生産設備を移行していることなどから、13.0%減少して2位となり、5.4%減にとどまったフィアットクライスラー・オートモービルズ(FCA)に首位を譲った。主要メーカーで唯一、生産台数を増やしたホンダは、前年に続き3位を維持した。ゼネラルモーターズ(GM)の15.1%減は、オンタリオ州インガーソルにある工場の「GMCテレイン」およびオシャワの工場の「ビューイック・リーガル」の生産が、それぞれメキシコおよびドイツに移管されたことが影響した。GMは2018年11月に、2019年内のオシャワ工場への生産割当を行わないと通知しており、カナダにおける生産台数の減少は避けられないものとみられる。

表 メーカー別自動車生産台数

トヨタとホンダの合計生産台数は前年比7.1%減の93万126台だったが、カナダでの自動車生産台数における2社の合計シェアは前年の46.0%から46.5%に上昇した。カナダ日本自動車工業会(JAMAカナダ)会長を務めるトヨタ・カナダ会長のラリー・ハッチンソン氏は「世界貿易の不透明感から、北米では自動車分野の課題が山積しているが、カナダの日系自動車メーカーは堅調だ。カナダは世界貿易制度の下で貿易に高く依存しており、当会員企業がカナダ産車を造り続けて成功を収めることは重要だ」とコメントしている(JAMAカナダプレスリリース1月28日)。

(飯田洋子)

(カナダ)

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