2018年の日系自動車メーカー販売台数は過去最高

(カナダ)

トロント発

2019年02月12日

調査会社デロジエ・オートモーティブ・コンサルタントは1月15日、カナダの2018年の新車販売台数を発表した。新車販売台数は前年比2.6%減の198万4,992台で、メーカー別にみると首位のフォードが3.4%減、2位のゼネラルモーターズ(GM)が4.8%減だったが、前年からの順位を維持した(表参照)。前年4位のトヨタは3.2%増で過去最高の販売台数を記録して3位となり、フィアットクライスラー・オートモービルズ(FCA)は15.8%減で4位に後退した。

表 メーカー別新車販売台数

このほかのカナダで販売する日系メーカーは、三菱自動車(11.1%増)、スバル(6.4%増)、日産(1.7%増)が増加した一方、ホンダ(0.9%減)、マツダ(0.3%減)は減少した。日系メーカー6社の総販売台数は73万3,318台と5年連続で過去最高を記録し、カナダにおけるマーケットシェアは前年の35.3%から36.9%へ伸びた。

韓国、欧州メーカーでは、起亜(4.6%減)やメルセデス・ベンツ(4.8%減)の減少が目立った。

セグメント別では、乗用車(セダン、クーペ、ハッチバック)の販売が9.7%減少した一方、小型トラック〔スポーツ用多目的車(SUV)、クロスオーバーSUV(CUV)、バン、ピックアップトラック〕は0.6%増加した。日系を含む非米国系自動車メーカー15社で構成されるカナダの自動車工業団体、グローバル・オートメーカーズ・カナダのデイビッド・アダムス会長は「政治的・経済的な混乱に加えて、政策金利上昇を考慮すると、2018年の売り上げが振るわなかったとは定義しがたい。過去最高の売り上げが10年続けば、減速が訪れるのがビジネスというものだ」とコメントした(グローバル・オートメーカーズ・カナダのプレスリリース 2月1日)。カナダ中央銀行は、2017年7月から5回にわたり政策金利を引き上げて1.75%としているが、さらに、「中立金利(2.5~3.5%)」にまで引き上げていく意向を示している。また、自動車アナリストのデニス・デロジエ氏は、新車販売台数が2009年以来の落ち込みをみせる中、小型トラックだけは増加傾向が続き、全セグメントに占める割合が初めて7割を超えたと指摘する。2019年の販売動向については、「これといった上向きの兆候はないものの、潜在的な増加要因もあるため、急減するとも考えにくい」として、2018年と同様の2~4%減の間で推移すると予測している(カナディアン・プレス1月3日)。

(飯田洋子)

(カナダ)

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