日本型健康経営の普及へ、「スリランカ健康経営アワード」を開催

(スリランカ)

貿易制度課、コロンボ発

2019年02月25日

ジェトロとスリランカ若手経営者協会(COYLE)は2月13日、日本型健康経営(注1)に取り組む現地企業を顕彰する「スリランカ健康経営アワード」の第1回授賞式をコロンボで開催した。応募のあった現地企業30社から、従業員数で分けた4つのカテゴリーごとに、ゴールド(最優秀賞)企業、シルバー(優秀賞)企業を発表した(添付資料参照)。

アワードの評価基準は、日本で広く実践されている健康経営手法をベースに作成した国際規格(BS-PAS3002)を、スリランカの企業事情に合わせてアレンジしたもの。従業員の健康データを科学的に分析し、効果的な改善活動をPDCA(注2)で回すことで、生産性とブランド力(企業価値)を引き上げるという、日本型健康経営の手法が評価のポイントとなる。

式典に参加したハルシャ・デシルワ経済改革・公共分配担当相は「中所得国のスリランカは国際競争に勝つため、さらに生産性を高めなければならない。従業員の健康は生産性に大きく関わる。健康経営は時宜を得たものであり、多くの組織で実践してほしい」と、アワードに期待を寄せた。

スリランカでは、生活習慣病による死亡率が7割に上る一方、国公立病院の医療費が無料のため、国民の病気に対する予防意識は低い。アワードは、「非感染症疾患の予防と管理に関する国家アクション・プラン2016-2020」にのっとり、生活習慣病などの疫病削減や国民の健康増進を進めるスリランカ政府の協力を得て創設された。

(注1)健康経営とは、従業員の健康増進に取り組み、企業の生産性向上を狙う経営手法。経営者だけでなく従業員も能動的に取り組むコミュニケーション型は日本型とされる。

(注2)策定(Plan)、実行(Do)、点検(Check)、経営層による見直し(Act)。

(坂本郁、井上元太)

(スリランカ)

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