RCEP閣僚会合、2019年内妥結を再確認

(ASEAN、シンガポール)

シンガポール発

2019年03月08日

東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の交渉参加16カ国による閣僚会合が3月2日、カンボジアのシェムリアップで開催された。7回目となる今回の中間閣僚会合には、日本からは世耕弘成経済産業相をはじめ、関係者が出席した。

RCEP交渉 は、2018年11月にシンガポールで開催された閣僚会合・首脳会議において、同年内の実質的な交渉進展を歓迎し、2019年の早期妥結へ向けた共同首脳声明が採択された。シェムリアップ会合では、2019年内妥結に向けた交渉の進め方を閣僚レベルで議論した。具体的には、同会合に先立つ2月19日から2月28日までの期間に、インドネシアで開催された事務レベル交渉会合の結果を受け、市場アクセスおよびルール交渉の進展を評価し、今後取り組むべき作業について確認した。

会合後に示された共同メディア声明によると、「年内妥結の目標のために最大限努力する」とし、交渉進展に向け「取り組むべき多くの作業がある」ことを確認した。また、議論の加速が必要な分野について追加的に交渉会合を開催することや、第8回中間閣僚会合を8月に開催することに合意した。

交渉参加国のうち、インド、インドネシア、タイ、オーストラリアでは、上半期に国政選挙の実施が予定されている。シンガポールのチャン貿易産業相は、中国で開催される第8回中間閣僚会合が年内妥結のための重要なマイルストーンで、「政治的なコミットが示される時」とした。

閣僚会合当日の関連行事として、日ASEAN包括的経済連携(AJCEP)協定改正議定書の署名を祝う式典が開催され、日本から世耕経産相らが参加した。本議定書の発効により、サービス・投資のさらなる自由化や円滑化を通じた日ASEANの経済関係強化が期待される。

(藤江秀樹)

(ASEAN、シンガポール)

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