2018年の自動車輸出は6年ぶりに100万台を突破、イラン向けが最大

(中国)

上海発

2019年03月26日

自動車業界団体の中国汽車工業協会(CAAM)は3月15日、2018年中国自動車の貿易概況をまとめた。自動車の輸入台数は前年比8.4%減の113万6,000台と減少したものの、輸入額はほぼ前年並みの水準を維持していることから、輸入車の平均単価は高級化などにより上昇傾向にある。

一方、2018年の自動車輸出台数は前年比16.8%増の104万700台で、2012年以来6年ぶりに100万台を突破した。乗用車は75万7,500台と全体の72.8%を占め、新エネルギー車(NEV)は1万206台だった。

最大の輸出相手国はイランで、メキシコやチリ、米国、エクアドル、タイ、エジプト、ブラジル、ペルー、ロシアなども上位を占めた。米国のイランに対する制裁などより、イラン向け自動車輸出は前年比24.7%減となったほか、ロシア向けも37.4%減と大幅に減少した。一方、メキシコやタイ、エジプト、ブラジルなどへの輸出は拡大した。

上海汽車集団は、企業別で最も多い23万8,200台を輸出した。傘下子会社の上汽GM(ゼネラルモーターズ)が対米輸出の拡大により、前年比63.4%増の15万8,000台と急増したことが寄与している。2位の奇瑞汽車も、14.1%増の12万3,000台で好調だった。

米国向け輸出額は部品を含めて最多に

機械・電気製品業界団体の中国機電産品進出口商会(CCCME)の発表によると、2018年における中国の自動車関連(完成車と部品を含む)の輸出額は前年比11.5%増の700億ドルだった(表参照)。うち、自動車部品は543億7,000万ドル、完成車(ノックダウン方式を含む)は156億3,000万ドルだった。国・地域別でみると、米国向け輸出は最多の184億6,000万ドルで、続いて日本、メキシコ、ドイツ、イランなどの順になっている。

表 中国の自動車関連輸出相手国上位(2018年)

2019年の自動車輸出についてCAAMは、2018年に比べて若干減少するものの、100万台を維持すると見込んでいる。

(劉元森)

(中国)

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