2018年度第3四半期成長率は年率換算6.6%に減速

(インド)

ニューデリー発

2019年03月12日

中央統計局(CSO)は2月28日、インドの2018年度第3四半期(2018年10~12月)の実質GDP成長率(2011年基準)推計値および2018年度(2018年4月~2019年3月)の実質GDP成長率(2011年基準)2次推計値を発表した。

2018年度第3四半期の実質GDP成長率(年率換算)は前年同期比6.6%と直近6四半期で最低の数値となった。これを需要項目別にみると、民間最終消費支出が前年同期比8.4%と伸びた(表1参照)。政府最終消費支出は6.5%で、企業の設備投資などを表す総固定資本形成は10.6%と2桁の成長を維持した。

表1 2018年度第3四半期の需要項目別成長率(2011年基準)

産業部門別の粗付加価値(GVA)成長率をみると、農林水産が前年同期比2.7%、鉱業・採掘は1.3%、製造は6.7%と、成長の減速が目立った(表2参照)。

表2 2018年度第3四半期の産業部門別成長率(2011年基準)

通年のGDP成長率予測も下方修正

今回の発表では、2018年度の第1四半期(2018年4~6月)、第2四半期(同7~9月)の実質GDP成長率がそれぞれ8.0%、7.0%にやや下方修正された。これらの数値を踏まえ、2018年度通年の実質GDP成長率も0.2ポイント下方修正され、7.0%(2次推計値)となった。これを需要項目別にみると、民間最終消費支出は8.3%、総固定資本形成が10.0%と前年度から成長率が加速する一方、政府最終消費支出は前年度よりも減速するとしている(表3参照)。

表3 2018年度の需要項目成長率2次推計値(2011年基準)

産業部門別の粗付加価値(GVA)で2018年度通年の成長率予測をみると、製造は8.1%、建設は8.9%に伸長するが、農林水産は2.7%、鉱業・採掘は1.2%に減速する(表4参照)。

表4 2018年度の産業部門別成長率2次推計値(2011年基準)

インド工業連盟(CII)が会員企業を対象に四半期ごとに実施しているビジネス見通し調査の第105回調査(2018年12月発表)のGDP成長率見通しによると、回答の約3分の2を占める64%が2018年度のGDPを7.0~8.0%とみており、うち42%は7.0~7.5%、22%は7.5~8%と推測している。産業界の一定数はGDP成長率に関して、政府予測を上回る成長を予測していた。

(古屋礼子)

(インド)

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