第4四半期のGDP成長率は年率1.4%、2期連続のプラス成長

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2019年03月13日

南アフリカ共和国の統計局は3月7日、2018年第4四半期の実質GDP成長率(前期比年率換算、季節調整済み)を1.4%と発表した(表1参照)。前期の2.6%に続き、2期連続のプラス成長となった。

表1  産業別GDP成長率(実質、前期比年率換算、季節調整済み)

産業別では、運輸・倉庫・通信業が陸上輸送の増加に伴い7.7%増となり、最大の寄与度だった。製造業は石油、化学品、自動車部門での生産拡大により4.5%増と好調で、農林水産業も主要穀物メイズの生産増加を背景に、7.9%増となった。産業別GDPの約2割を占める金融・保険・不動産業・企業サービスは2.7%増で、8期連続のプラス成長だった。なお、2018年通年の成長寄与度では同セクターが最大となった。他方で、鉱業は金やダイヤモンドの生産減少により、前期(8.9%減)から2期連続のマイナス成長となる3.8%減だった。建設業も住居用・非住居用ビルの建設減少により、0.7%減となった。

表2  需要項目別GDP成長率(実質、前期比年率換算、季節調整済み)

需要項目別にみると、需要全体の約6割を占める民間最終消費支出は家具や衣料品などの個人消費の回復により3.2%増加し、11期連続のプラス成長となった(表2参照)。政府最終消費支出も財・サービスの支出増により、7期連続のプラス成長だった。他方、総固定資本形成は、企業活動に伴う機械設備・機器への設備投資および住居用ビルなどの建設工事が低調だったことを受け、2.5%減と4期連続のマイナス成長となった。2019年5月8日に予定されている国民議会総選挙(下院選)およびその後の大統領選出までは、リスク回避から、企業は新規の投資を控えるものとみられる。

南ア政府は2月20日に発表した予算案において、2019年通年の経済成長率を1.5%(2019年2月27日記事参照)とし、2018年の0.8%成長から拡大すると予測している。

(高橋史)

(南アフリカ共和国)

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