2月のインフレ率は前月比3.8%、中銀は抑制強化の方針を発表

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2019年03月26日

国家統計センサス局(INDEC)は3月14日、アルゼンチンの2月のインフレ率が前月比3.8%、過去12カ月間の累積インフレ率では51.3%だったと発表した。現地民間エコノミストによる最新の経済見通しの集計値(REM)では前月比3.5%との予想だったが、1月に続き同見通しを上回る結果となった。

インフレ率を産業別に前年比でみると、「住宅・光熱・その他燃料」(前月比6.4%)と「食品・飲料(酒類を除く)」(5.7%)が全体を引き上げている。水道、電気、ガスといった公共サービス料金の値上げと牛肉の値上がりが主な要因だ。牛肉の値上がりについて牛肉消費促進局(IPCVA)のウリセス・フォルテ局長は、過去2年間で生じた干ばつと洪水の影響により、牛肉の供給量が需要に追いつていないことが根底にあるとしている。また、インフレ率の上昇とともに生産コストが増大したことにより、小売価格に転嫁された、と述べた。

インフレ率は、2018年9月の月間インフレ率6.5%をピークに低下してきていたが、2019年に入り再び上昇に転じた。アルゼンチン中央銀行のギド・サンドレリス総裁は、2月のインフレ率の結果を受け、インフレ抑制の取り組みを強化することを明らかにした。これまで進めてきた通貨供給量を抑制する方針を、当初予定の2019年6月までのところを、12月まで延長するとし(2018年10月1日記事参照)、マネタリーベースの目標も、当初より10%削減するとしている。他方、現地コンサルタント会社ACMは、このような金融状況においても、今後数カ月間に公共サービスや交通料金の値上げが見込まれていることから、3月のインフレ率は3~3.5%の間となると予想している(「クロニスタ」紙3月14日)。

(高橋栞里)

(アルゼンチン)

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