ジョージア首相、フォーラムでインフラ整備の重要性と投資保護協定の実質妥結に言及

(ジョージア、日本)

欧州ロシアCIS課

2019年03月18日

初来日したジョージアのマムカ・バフタゼ首相は3月15日、東京で開催された「日本・ジョージアビジネスフォーラム」に出席した。首相はスピーチで、同国の経済開発方針や日本との経済協力などについて言及した。

写真 スピーチするバフタゼ首相(ジェトロ撮影)

スピーチするバフタゼ首相(ジェトロ撮影)

バフタゼ首相は、世界銀行が毎年発表するビジネス環境ランキング「Doing Business」の2019年版でジョージアが世界6位に選ばれたことを挙げ、「ヨーロッパの中でも最もビジネスがしやすい国」と強調。税負担は世界最低水準であり、今後3年間のGDP成長率は近隣国よりも高い5%以上となる見込みと述べた。地域経済でジョージアは東と西を結ぶハブ機能を有しており、南コーカサス、中央アジア、中東諸国とのゲートウェイとの位置付けであることから、運輸、物流、エネルギー、観光、ITなどのセクターに成長の余地があると発言した。また、「インフラ整備は決定的に重要」と述べ、ジョージアでの主要インフラ整備事業(注)を2023年までに終了させ、現在建設中のアナクリア港(2018年9月25日記事参照)も積極的に進める意欲を示した。

日本との経済関係について、同首相は、今回のフォーラムでジョージア経済・持続的発展省と日本貿易保険の間での協力に関する覚書(MOU)の締結、交渉が続いていた両国間の投資保護協定の内容について最終的な妥結に至ったことに触れ、「今後の相互の投資拡大につながると確信している」と評価した。日本からジョージアへの投資誘致だけでなく、ジョージアから日本へのワインをはじめとする輸出や、企業進出の拡大にも期待を表明した。

フォーラムではこのほか、ジョージア側からギオルギ・コブリヤ経済・持続的発展相、レワン・ツァグリヤ・ジョージア相撲協会会長(元小結・黒海)、日本側来賓として石川昭政・経済産業大臣政務官がスピーチを行った。ジョージアの貿易投資促進機関であるエンタープライズ・ジョージア、投資支援機関であるパートナーシップ・ファンド、ジェトロ、ジョージアで事業を展開する日系企業のトヨタ・コーカサス、国際機関のアジア開発銀行(ADB)、欧州復興開発銀行(EBRD)がジョージアの投資環境、投資家への支援制度、各機関・企業の活動実績などについてプレゼンテーションを行った。

写真 フォーラム会場の様子(ジェトロ撮影)

フォーラム会場の様子(ジェトロ撮影)

(注)国際援助・開発機関などが支援する東西ハイウェイ整備事業などが挙げられる。

(高橋淳)

(ジョージア、日本)

ビジネス短信 5378a285b8a84d36