関係4カ国、黒海とカスピ海をつなぐ物流整備・促進で協力へ

(アゼルバイジャン、ジョージア、トルクメニスタン、ルーマニア)

欧州ロシアCIS課

2019年03月07日

アゼルバイジャン、ジョージア、トルクメニスタン、ルーマニアの4カ国の外相は3月4日、ルーマニアの首都ブカレストで開催された黒海とカスピ海を経由する物流協力に関する4者会議に出席。広域の持続的開発と安定による経済協力の拡大・強化をうたった「ブカレスト宣言」を採択した。

同宣言では、欧州とアジアを結ぶ、黒海・カスピ海(Black Sea-Caspian Sea:BSCS)経由の国際輸送ルートが果たす役割の重要性が再認識され、貿易と経済協力の拡大と地域間の接続性を高めることがうたわれた。また、中央・北西欧州部への水路による接続のため、ルーマニアの黒海沿岸のコンスタンツァ港からドナウ川までのルート整備の必要性が明記され、EUと中央アジアを結ぶ輸送ルート開発のためにEUが行う、既存もしくはその他スキームを積極的に活用していく方向性が示された。

このほか、アゼルバイジャンのバクー国際商業港(およびアリャート自由経済区)、ジョージアのバトゥーミ港、ポチ港、建設中のアナクリア港(2018年9月25日記事参照)、トルクメニスタンのトルクメンバシ国際港、ルーマニアのコンスタンツァ港の名前を挙げ、これらの港湾開発・整備が国際輸送ルートの成功と効率的な運用に不可欠、と位置付けている。

4カ国はBSCS国際輸送ルートの効率的な協力推進のため、次の点で合意した。a.4カ国の専門家からなるワーキンググループを設立して技術的な課題に対応すること、b.BSCSルートの国際競争力強化のため、関税率の調整や通関手続きの簡素化を進めること、c.4カ国間の輸送インフラ格差の認識(調査)、d.BSCSルート関心国(EUを含む)に対する共同の働き掛け、e.サービスの質向上、デジタル技術を活用した輸出入手続きの簡素化と先端的情報交換システムの導入、f.年に最低1回は閣僚会合を開催すること、など。

このほかブカレストでは、ジョージア・トルクメニスタン外相会談などバイ(2国間)会談も行われ、各国間でも輸送協力についての議論が行われている。

写真 ジョージアのバトゥーミ港(ジェトロ撮影)

ジョージアのバトゥーミ港(ジェトロ撮影)

(高橋淳)

(アゼルバイジャン、ジョージア、トルクメニスタン、ルーマニア)

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