2月のCPIは前月比0.2%上昇、1月より上昇幅拡大

(米国)

ニューヨーク発

2019年03月25日

米国労働省が3月12日に発表した2019年2月の消費者物価指数(CPI)は、前月比(季節調整値)0.2%の上昇となった(1月:0.0%上昇)。医薬品(下落率:1.0%)などが押し下げに寄与した一方で、家賃(上昇率:0.3%)やガソリン(1.5%)などが押し上げ要因となった。変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数は、前月比0.1%上昇した。

医薬品や中古車が下落した一方で、家賃や男性用衣類が上昇

米国連邦準備制度理事会(FRB)などが重視しているエネルギーと食料品を除いたコア指数を品目別にみると、医薬品(1.0%下落)や中古車(0.7%下落)などが押し下げ要因になったものの、家賃や男性用衣類(3.4%上昇)などが押し上げに寄与した。

前年同月比のCPIは1.5%上昇し、1月(1.5%上昇)から横ばいとなり、2016年9月(1.5%上昇)以来、2年5カ月ぶりの小幅な伸びとなった。コア指数は2.1%上昇で、1月(2.1%)から横ばいだった。

コア指数に含まれない食料品は前年同月比2.0%上昇(1月:1.6%上昇)と前月から上昇幅が拡大した一方で、エネルギーは5.0%下落(4.8%下落)と前月から下落幅が拡大したことから、CPIの上昇幅はコア指数の上昇幅を下回った。

ムーディーズ・アナリティクスのシニアエコノミスト、ライアン・スイート氏は「国内経済(の成長ペース)が予想よりも急速に減速しており、インフレ見通しが下振れるリスクがある」との見方を示すとともに、「近い将来ではFRBは(利上げを)休止するだろう」とした(ロイター3月12日)。

(樫葉さくら)

(米国)

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