新ウランバートル国際空港開港を見据え、国際路線・便数が増加へ

(モンゴル)

北京発

2019年04月04日

日本の円借款で建設されている新ウランバートル国際空港が2019年内の開港予定となっている。発着枠の拡大によって、国際線の便数増加が可能になる見込みだ。モンゴル政府は2016~2020年の計画で、「モンゴルに就航する国際線の路線、便数を増やす」との目標を掲げており、国営航空会社のMIATモンゴル航空(以下、MIAT)はこの計画に基づいて路線網を拡大し、新機材を導入する。

MIATは2018~2019年の冬スケジュールで、成田~ウランバートル間を週5便運航しており、2014年の週2便、2016年の週3便から増加させている。さらに、2019年夏スケジュールでは、成田便を週7便に増やすほか、7、8月に大阪(関西国際空港)便が復活する。アジアではほかに中国・広州に3月末から10月まで新規就航させ、北京、香港、仁川便の増便も計画している。

MIATが日本便を増やす背景には、モンゴル人の訪日需要の増加がある。モンゴル国家統計局によると、2018年にモンゴルを訪れた日本人は前年比6.8%減の2万990人だった一方、2019年3月19日に発表された日本政府観光局(JNTO)の統計によると、同年に日本を訪れたモンゴル人は前年比18.3%増の2万7,647人だった。モンゴル人訪日数は、2016年に2万人を超え、増加が続いている。

MIATの動きの背景には、1月のモンゴル・韓国航空協定の改定により、ウランバートル新空港の開港に合わせてウランバートル~ソウル(仁川)便に、既存の大韓航空以外の韓国の航空会社の新規参入が認められ、MIATと大韓航空による寡占体制から3社による競争が始まることもある。モンゴル道路運輸開発省・航空輸送政策実施調整局のミャグマルスレン局長は「新規参入と増便によって供給が増え、1座席当たりのコストが低下することで、航空運賃はある程度下がるとみている」と述べた(モンゴル民間航空庁ウェブサイト1月22日)。ウランバートル~仁川間の運賃が下がれば、日本からソウル乗り継ぎでモンゴルに向かう利用者が増える可能性もある。

(藤井一範)

(モンゴル)

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