欧州最大規模のイノベーション見本市に、モロッコ・パビリオンを出展

(モロッコ、フランス)

ラバト発

2019年05月30日

5月16~18日にパリで開催された欧州最大規模のイノベーションイベント「第4回ビバ・テクノロジー」(2019年5月27日記事参照)にモロッコ・パビリオンが出展し、グリーンテック、ヘルステック、エドテック、物流テック、人工知能(AI)技術などのスタートアップ・新興企業16社(注)のミッションが参加した。ミッションはモロッコの産業・投資・貿易・デジタル経済省やデジタル開発庁(ADD)、国家通信規制庁(ANRT)の下で組織され、ムーレイ・ハフィド・エルアラミ産業・投資・貿易・デジタル経済相も参加した。見本市ではモロッコのテクノロジー、各スタートアップの革新的サービスを紹介し、投資家などとの関係構築の機会を得たほか、15日に同じくパリで開催されたアフリカのテクノロジーに関する国際会議「アフロバイツ(Afrobytes)」にも参加し、スタートアップの技術を説明した。モロッコ国営リン公社(OCPグループ)も見本市に単独出展し、デジタル産業における同グループの活動を紹介した。

見本市には、世界中から約1万3,000のスタートアップ、3,300の投資家を含め、12万人以上の来場者を集め、モロッコの参加は2018年に続いて、2回目となった。

モロッコはデジタル産業を促進、イノベーションのハブに

エルアラミ大臣は、次回はさらに多くのモロッコのスタートアップの参加を得て、スタートアップ・新興企業の支援を通してアフリカ域内の南南協力の促進を図りたいと述べた。見本市でのモロッコのイノベーションの紹介やスタートアップのマッチングのみならず、将来的にはモロッコをアフリカにおけるイノベーションのハブに位置付けたいとの意向だ。また、モロッコ・パビリオンを訪れたフランスのセドリック・オ経済・財務相および行動・公会計相付デジタル担当副大臣は、モロッコのイノベーションの技術を評価し、今後両国間のウィンウィンの関係を目指したいと述べた。

モロッコは2016年7月に情報化社会の実現に向けた国家計画「デジタル・モロッコ・プラン2020」(Plan Maroc Numerique 2020)を開始。「国内経済のデジタル化」「デジタル分野における地域拠点化」「国内エコシステムの発展」を目指している。計画の推進機関となるべく、デジタル開発庁(ADD)を設立し、2018年から活動を開始している。

(注)AbWeb、ALTPLAY Studio、Ashnoon-Share Technologies、Caronae Systems、DBM Maroc、Dial Technologies、FRETERIUM、Intelligence Of Objects、Kourtim、KWIKS、Linkommunity、MarKoub.ma、NoBoxLab、Oh My Lead、PIlliotY、SOWIT。

(本田貴子)

(モロッコ、フランス)

ビジネス短信 64ec9216bab938b7