滞在・就労単一許可証発給に遅れ、日本側が改善を要請

(ベルギー)

ブリュッセル発

2019年06月28日

ベルギーで、外国人に対する「シングル・パーミット」(滞在・就労単一許可証)の申請から発給までに4カ月以上を要するケースが相次ぎ、駐在員の交代が大幅に遅れるなど、現地日系企業の活動に影響を及ぼしている。

「シングル・パーミット」制度は、従来分かれていた滞在許可証と就労許可証を一体化したもので、1月1日から運用開始されている。この制度では、90日を超えてベルギーに滞在する外国人就労者は、まず地域政府(注)に滞在・就労許可を申請する必要がある。地域政府は申請書類を受理した上で、連邦政府内務省外国人総局に書類を転送する。手続きが滞っているのは、この内務省外国人総局での資格審査とみられている。現地会計事務所によると、外国人総局の人員不足のため6月現在、外国人全体で約3,000件が処理待ちの状態となっているという。

現地日系企業など駐在員を含む在留邦人で構成されるベルギー日本人会では、遅延の影響について5月下旬から6月上旬にかけてアンケート調査を行い、結果を在ベルギー日本大使館に報告していた。同大使館はベルギー内務省をはじめ当局に状況の改善を申し入れ、6月26日、ウェブサイト上の「お知らせ」欄に「ベルギーにおけるシングル・パーミット発給の遅れへの対応について」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを掲載した。そこでは、申請から3カ月以上経過しても進展が見られない場合は、内務省外国人総局外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに確認する手段があることを紹介している。ただし同総局は、6月現在、地域政府による申請受理から起算して内務省外国人総局による審査には2~2カ月半の期間を要するため、同期間経過前の照会は控えるよう呼び掛けている。

(注)フランダース政府(ベルギー北部)、ワロン地域政府(ベルギー南部)、ブリュッセル首都圏地域政府のいずれか。

(安田啓)

(ベルギー)

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