極東のブリヤート共和国にTORを設置

(ロシア)

モスクワ発

2019年06月26日

ロシア政府は6月14日、ブリヤート共和国に優先的社会経済発展区域(TOR)を設置することを決定した(連邦政府決定第760号)。ロシア極東地域内で19番目のTORとなる。2018年11月にブリヤート共和国がロシア極東連邦管区に組み入れられたこと(2018年11月5日記事参照)を受けたものだ。

TORの対象領域は、バイカル湖に面したカバンスキー地区と、モンゴル国境に面したキャフチンスキー地区の2つ。入居事業者は税制面などの優遇を受けられる。入居には50万ルーブル(約85万円、1ルーブル=約1.7円)以上の投資が求められる。連邦政府決定によると、対象となる産業分野は農畜産、食品加工、建設・エンジニアリング、輸送・倉庫業など。

入居申請の受付窓口である極東発展公社の発表(6月18日)によると、既に地元企業2社が申請をしている。「ノヤブリスクプロドセルビス」はブロイラーを年間3万トン生産する養鶏場を建設する計画。3万トンはブリヤート共和国の需要の7割に相当する。「通関・物流ターミナル・ナウシキ」はモンゴルとの国境地域に物流ターミナルを建設する。いずれの計画も2021年までに完了し、投資額は合計で63億ルーブル、870人の雇用創出が見込まれている。

タス通信(6月18日)によると、ほかに、セレゲンスク・パルプ板紙コンビナートによる3層段ボール紙の製造と、グシノオゼルスクでの温室建設の2つがTORでの事業として、2019年末までに追加される可能性が指摘されている。

なお、極東地域内にあるTORおよびウラジオストク自由港の入居者数は1,609に達し、うち217件が操業を開始している(極東発展公社発表6月18日)。

(タギール・フジヤトフ、エカテリーナ・セミョノワ)

(ロシア)

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