元スーパーモデル、ファッション・インキュベーターに転身

(エチオピア)

アディスアベバ発

2019年07月05日

エチオピアの元スーパーモデル、アンナ・ゲタネ(Anna Getaneh)氏が設立した「AFRICAN MOSAIQUE外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が、6月6~10日にアディスアベバで開催された「ICT EXPO ETHIOPIA 2019」(2019年6月24日記事参照)内でファッションショーを開催するなど、注目を集めている。同社は2017年に設立され、世界に通用するファッションデザイナーを育成すべく、「ファッション・インキュベーター」として活動している。

同社が提供する12カ月のインキュベーション・プログラムでは、デザインの講習に加えて、裁断やミシン掛けなど、衣服製造に必要な技術を無料で参加者に指導する。プログラム終了時には参加者の作品を紹介するイベントを開催し、外資を含む企業や在エチオピアの各国大使館などとのコネクションを構築することが可能だ。プログラムには例年約300人が応募し、約10人が選抜される。現在までの卒業生16人の多くは自らショップを経営するなど、エチオピアのファッション業界に貢献している。

同社の主な収入源は、「AFRICAN MOSAIQUE」ブランドの衣服の販売だ。アディスアベバに直営店を持つほか、フランス、米国、英国への輸出実績がある。同社の衣服にはエチオピアを含むアフリカの伝統的な繊維やデザインが採用されている。オーダーメイドによる受注生産も可能で、これまでに、エチオピアに進出した高級ホテルのハイアットリージェンシーや当地で高級リゾートを手がけるクリフツグループの制服を製造している。

写真 AFRICAN MOSEIQUEのブティック店内(ジェトロ撮影)

AFRICAN MOSEIQUEのブティック店内(ジェトロ撮影)

写真 デザインセンター(ジェトロ撮影)

デザインセンター(ジェトロ撮影)

アンナ氏によると、世界的なブランドの多くは、それぞれ1人のデザイナーによって生み出されており、デザイナーを育成することが将来のエチオピア・ファッション業界の発展に不可欠だという。また、異なる文化を積極的に取り入れたい意向で、日本企業やデザイナーの参画にも期待感を表明した。

(山下純輝)

(エチオピア)

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