2019年の年間予測インフレ率を40.0%に修正

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2019年07月09日

アルゼンチン中央銀行は7月2日、国内外54人の民間エコノミストらによる最新の経済予想中央値(REM)を発表した。前回(6月4日)と比べ、インフレ率などで改善がみられた。

2019年末の年間インフレ率の見通しは、40.0%と前回から0.3ポイント引き下げられた。2019年に入り発表されたREMのインフレ率予想では、初めて前月の発表の値を下回った。月間インフレ率は3月に4.7%を記録して以降、4月(3.4%)、5月(3.1%)と抑えられつつある。エコノミストらは、月間インフレ率は6月が2.6%(前回2.7%)とし、11月には2.1%(2.1%)まで漸減するとしている。

2019年末の為替レート予想は、前回の1ドル=51.0ペソから50.2ペソ(前回よりも0.8ポイントのペソ高)となった。為替は年初来、弱含みで推移し、特に4月中旬以降はペソ安が加速したが、4月29日に中銀が為替バンド制度の実質的な廃止(2019年5月8日記事参照)を発表したことで、ペソ安にやや歯止めがかかった。5月は1ドル=45ペソ前後と安定して推移し、6月上旬も引き続き為替は落ち着きをみせた。6月11日にマウリシオ・マクリ大統領が副大統領候補の決定を発表後(2019年6月14日記事参照)、1ドル=42~43ペソ台とペソ高基調で推移したことから、エコノミストらの今後の為替予想もペソ高に修正されている。2019年末に向けた月ごとの見通しをみると、7月は44.1ペソ(前回より2.8ポイントのペソ高)、8月は46.0ペソ(2.0ポイントのペソ高)と2.0ポイント以上、ペソ高の見通しとなった(表参照)。

表 エコノミストらによる対ドルレートの予想値

なお、2019年末の政策金利は前回値から変動なしの55.0%で、GDP成長率は2019年がマイナス1.4%(前回:マイナス1.5%)、2020年が2.2%(2.0%)、2021年が2.5%(2.5%)と予想されている。

(高橋栞里)

(アルゼンチン)

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