ベトナムと米国の税関当局が協力強化を促進

(ベトナム、米国)

ホーチミン発

2019年07月16日

ベトナム税関総局のグエン・バン・カン局長は6月28日、ブリュッセルで開催された世界税関機構(WCO)年次総会に合わせ、ロバート・ペレス米国税関・国境警備局(CBP)副長官と会談した。その中で、両国は、税関分野における協力および相互支援に関する政府レベルの協定締結のための2国間交渉を行い、協定締結のための内部手続きが完了したことを確認した。米国は、ベトナムにとって最大の輸出相手国(金額ベース)(注)だ。

本協定は、税関データの共有、不正貿易などの取り締まりの協力強化、税関職員の能力向上などを目指している(「税関オンラインニュース」7月1日)。

ベトナム国内では、中国が原産地である産品に、ベトナム産と偽ったラベルが付されるケースが起きていることが背景にある。ベトナムの木材製品メーカーが中国の木材製品を輸入し、ラベルを張り替えて米国に輸出していたことが、CBPによって発覚した。また、中国から「Made in Vietnam」のラベルが付された化粧品、衣類、履物、電化製品などの輸入がされるケースもみられる。これを受けて、ベトナム税関総局は6月9日、米国の対中制裁の余波を避けるため、一部の中国製品が「ベトナム製」と偽って米国に輸出されているとして、取り締まりを強化することを税関ウェブサイト上で表明し、ベトナムから米国への合法的な貨物の輸出に影響が及ばないよう取り組んでいる(「税関オンラインニュース」7月5日)。

(注)米国との貿易は、金額ベースでベトナム輸出全体の約20%(国別1位)、輸入全体の約5%(6位)を占める〔ベトナム税関総局(2018年)〕。

(小林亜紀)

(ベトナム、米国)

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