靴への製品マーキング貼付を義務化、香水、乳製品、機械類に対する試験も開始

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2019年07月17日

ロシアでは、不正流通品対策に向けた製品流通経路の把握措置の導入や、導入に向けた試験の実施が立て続けに行われている。連邦政府は7月8日、靴に対する製品マーキング貼付を義務化する連邦政府決定第860号(2019年7月5日付)を公表、即日発効させた。本決定では、流通参加者(靴の製造・輸入・卸売・小売事業を行う法人・個人事業主)の要件と、国家情報監視システム(2019年5月13日記事参照)への情報登録手続き、識別手段の特性と貼付方法、国家情報監視システムと他の国家情報システムとの情報交換手続き、などを規定している。

流通関係者による靴製品へのマーキング識別手段の貼付のタイミングについては、ロシア国内で靴生産を行う場合には、生産者による出荷時点までに、ユーラシア経済連合(EEU)域外から輸入する際には、国内流通もしくは再輸出のための通関手続きにかけるまでに、EEU加盟国からロシアへの輸入に当たっては、ロシアとの国境を越える時点までに貼り付けること、としている。流通関係者による国家情報監視システムへの登録期限については、現時点で靴製品の流通事業を行っている者は7月1日~9月30日の間に、9月30日以降に靴に関する小売・卸売事業を開始する者は、その開始日から7日以内に登録しなければならないとしている。

このほか、12月に製品マーキング貼付が義務化される、写真カメラ(映画用カメラを除く)、フラッシュライト、フラッシュランプ(HS 9006)(2019年5月31日記事参照)、ゴム製空気タイヤ(HS 4011)、衣類・軽工業品(HS 4203 10、HS 6106、HS 6201~6202、HS 6302)(2019年6月27日記事参照)は既に運用開始に向けた試験の実施が公表されているが、これに加え、連邦政府は6月26日に、香水・オーデコロン(HS 4011)の試験を7月1日~11月30日の間に実施すると明らかにしている(2019年6月27日付連邦政府決定第6月26日付第814号)。7月2日には、乳製品(牛乳、乳脂、コンデンスミルク、ヨーグルト、ケフィール、バター、チーズ、カッテージチーズなど)に対する試験を7月15日~2020年2月29日の間に実施すると発表した(2019年6月29日付連邦政府決定第836号)。

また、7月3日には、製品マーキング貼付とは別に、「冷蔵庫、冷凍庫、ヒートポンプ」(HS 8418)、「フォークリフト、荷役機器を搭載したトラック」(HS 8427)、「ブルドーザー、アングルドーザー、地ならし機、スクレーパー、メカニカルショベル、エキスカベーター、ショベルローダー、突固め用機械、ロードローラー(自走式のもの)」(HS 8429)、「洗濯機」(HS 8450)、「洗浄、清浄、絞り、乾燥、アイロンがけ、プレス、漂白、染色、仕上げ、塗布、染み込ませ用途の機械」(HS 8451)、「モニター、プロジェクター」(HS 8528)、「集積回路・同部品」(HS 8542、HS 854290)、「自走式作業トラック(工場、倉庫、埠頭、空港での貨物短距離運搬用)、トラクター」(HS 8709)、「乳母車」(HS 871500 100)、「チャイルドシート」(HS 940171 000 1、HS 940180)を、ロシアへの輸入から国内消費まで追跡する試験を7月1日~12月31日の間に実施すると公表している(2019年6月25日付連邦政府決定第807号)。

(齋藤寛)

(ロシア)

ビジネス短信 23e44e30c3f57d52