第14回太平洋同盟首脳会合を開催、日本との協力枠組みについても確認

(ペルー、チリ、コロンビア、メキシコ、日本)

リマ発

2019年07月11日

メキシコ、コロンビア、ペルー、チリで構成される太平洋同盟(AP:Alianza del Pacífico)の第14回首脳会合が、ペルーの首都リマで7月5日から6日にかけて開催された。同会合に先んじて、加盟諸国の副大臣で構成されるハイレベル会合グループ(GAN)、外相および貿易担当相らで構成される閣僚評議会や、各国の民間企業リーダーで構成される太平洋同盟ビジネス評議会(CEAP)などのほか、太平洋同盟外相とオブザーバー国間の会合なども併せて開催された。

オブザーバー国である日本からは、辻清人外務大臣政務官が代表として出席し、日本とAPとの協力の枠組みを定める共同宣言および行動計画に関する文書が取り交わされた。そのほかにも、APはOECDならびにユーラシア経済連合(EEU)との間でも協力宣言の署名を行っている。また、今回の会合から、新たにアルメニア、アゼルバイジャン、フィリピン、カザフスタンが参加したことにより、オブザーバー国の数が59カ国に増加した。

最終日のAP首脳会合で採択された「リマ宣言」では、2018年の第13回首脳会合で採択された「戦略的ビジョン2030」をより強固に推進していくことを確認した。具体的には、2030年に向けて、(1)域内の貿易、投資、イノベーションなどの促進を通したさらなる統合を目指す、(2)多くの域外経済圏との協定を通して、グローバルな中南米最大の共同市場を目指す、(3)デジタル化、インダストリー4.0、イノベーションの推進を通して、情報網の活性化を目指す、(4)自由な人的交流と利益の分配を通して、各国社会と貧困の克服を目指す、というものだ。その他の主な宣言項目としては、自由貿易の推進、国連による持続可能な開発目標(SDGs)の廃プラスチック対策の推進と海洋資源の保護や域内公共事業発注における汚職の防止と撲滅の相互協力、などについて確認された。また、2021年にOECD加盟を目指すペルー、ならびにAPEC加盟を目指すコロンビアへの支援もうたわれた。

今回の首脳会合を機に、議長国(任期1年)もペルーからチリに移されることになり、チリにとっては11月開催のAPEC会議と合わせて、国際会議の旗振り役としての役割が期待されることになる。

(設楽隆裕)

(ペルー、チリ、コロンビア、メキシコ、日本)

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