天然ガス燃料のトラック、バス、エンジンの輸入関税引き下げ

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2019年07月10日

アルゼンチン政府は7月1日、政令440/2019号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公布し、天然ガス燃料のトラックとミニバス、エンジンに対する関税率を35%から2~5%まで引き下げた(政令440/2019号別添参照PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))(同品目はこれまで、メルコスールの対外共通関税率20%からアルゼンチンが例外品目として35%まで引き上げていた)。具体的には、圧縮天然ガス(CNG)、液化天然ガス(LNG)、もしくはバイオガスを動力とするエンジン、また、そのようなエンジンを使用するトラックとミニバス用シャーシなどが対象となる(添付資料参照)。政令では、トラック800台、トラック用エンジン200台、エンジンを搭載したミニバス用シャーシ200台の輸入割り当ても設けられた。

メルコスールは域外からの輸入品に対して対外共通関税率を適用しているが、国内産業の振興目的や自国内で調達が困難な品目に対しては、各国が独自に例外品目を選定し、関税率を適用できる。政令では、自動車産業において天然ガスは、ガソリンやディーゼル燃料と比較し、低コストで環境に優しい代替燃料となり得ること、また、アルゼンチン国内で利用可能な天然ガス供給があることから、同燃料を利用した車両などに競争力があるだろうとしている。国内自動車産業の発展や将来的な天然ガスのエンジンの現地生産に向け、今回の関税の引き下げに至ったとしている。

アルゼンチン国内の天然ガス燃料車に関しては、産業用車両製造会社大手のイベコが3月に開催された同国最大級の農産業展示会「Expoagro2019」で、国内初となるCNG商用車「デイリー・ブルー・パワー」と「ストラリス」の発売を発表した。また、同社は2019年第4四半期(10~12月)中に主力製品である中型トラック「テクトール160E21」のCNG版を現地で製造する意向も発表している。

(高橋栞里)

(アルゼンチン)

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