シンガポール企業、ブロックチェーン分野での日本進出や共同開発で提携

(シンガポール)

シンガポール発

2019年07月10日

シンガポールのパブリック・ブロックチェーン開発会社、オントロジー(Ontology)と、次世代ブロックチェーン・インフラ開発の非営利団体IOSG/IOSファンデーションは6月24日、それぞれ対日進出とサービス拡大をにらみ、日本側と提携関係を結んだ。

オントロジーは、中国で企業や団体向けにパブリック・ブロックチェーン(注1)を提供している。同社は同日、日本でモバイルオンラインゲームの開発、配信を行うグミ(gumi)の連結子会社のグミ・クリプトス(gumi Cryptos)と戦略的パートナーシップ契約を締結した。グミ・クリプトスは、ブロックチェーンに関するハードウエアとソフトウエア、コンテンツの開発などを手掛けている。オントロジーは今後、ブロックチェーンゲーム領域で積極的な展開を図る方針だ、としている。

IOSG/IOS財団(INTERNET OF SERVICES FOUNDATION LTD.)は同日、日本の法律事務所ZeLo・外国法共同事業と、日本国内でのブロックチェーン技術を使った製品開発に関するパートナーシップに同意した。

IOSGは非営利団体で、分散型アプリケーション(注2)を開発するプラットフォームを展開しており、さまざまなアプリやゲームなどの開発に役立てられている。日本においても、このプラットフォームを活用した複数のプロジェクトが製品化に向け進行中だ。

法律事務所ZeLoは、ブロックチェーンビジネスに関わる法務を取扱分野の1つとして、企業向けに法的枠組みなどの助言をしている。今回のパートナーシップにより、同法律事務所は、IOSGのエコシステムに法務部門を専門とするノード(注3)として参加し、IOSGのネットワークの検証作業を行い、ブロックチェーンビジネスに関する法務面の助言を行う予定だ。

(注1)中央管理者の存在しないオープン型のブロックチェーンのこと。

(注2)ブロックチェーンを活用したサービスやアプリ、ゲームなどのこと。

(注3)ブロックチェーンのネットワークを構築する接点のことで、ブロックチェーンを維持するためさまざまな役割を担う。

(安野亮太)

(シンガポール)

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