第1四半期GDPは前期比0.5%成長、投資が寄与

(オランダ)

アムステルダム発

2019年07月04日

オランダ中央統計局(CBS)は6月24日、2019年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率を0.5%と発表した。四半期の終了約90日後に最新データを踏まえて公表されたもので、5月14日に公表していた速報値と同率だった。

伸びの主な要因は、民間、政府によるオフィスビル、住居、インフラなどの固定資産への投資の増加によるもので(前期比2.7%増)、純輸出の寄与はマイナスとなった(表1参照)。

表1 実質GDPおよび各項目成長率(労働日数調整済み:前期比、前年比)

なお、前年同期比では2019年第1四半期の成長率は1.7%だった。さらに、今回の発表では2018年のGDP成長率は前年比2.7%から2.6%に修正された。2017年の成長率には変更がなかった。

また、オランダ経済政策局(CPB)は6月19日に公表した経済見通しで、2019年の成長率予測を1.7%とし、3月の前回予測(1.5%、2019年4月10日記事参照)から若干、上方修正した(表2参照)。2020年の見通しは1.5%のまま据え置いた。

表2 オランダ経済の見通し(前年比)

オランダ経済は、海外の政治経済情勢などの外的な要因により減速しており、輸出の伸び、また生産の伸びも鈍化しているものの、労働市場にはあまり影響がなく、2020年にわずかに失業率が上昇すると予測している。購買力は所得税減税などの政策がプラスに働くとみられ、2020年には緩やかなインフレが見込まれている。政府予算も引き続き黒字となるが、米国の通商政策や、合意なき英国のEU離脱などが、オランダ経済にとっての下振れリスクとなる。CPB担当ディレクターのローラ・ファン・ヘースト氏は「標準的な経済成長率にもかかわらず、雇用の伸びは依然として著しく大きい。しかし賃金の上昇は労働市場がタイトにもかかわらず、限定的になることが予想される」とコメントしている。

(高橋由篤)

(オランダ)

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