インジコントロールズがEV用バッテリー部品生産へ、数を増す韓国系EV関連企業

(ハンガリー、韓国)

ブダペスト発

2019年07月12日

韓国の自動車部品メーカーのインジコントロールズ(Inzi Controls)は7月1日、シーアールトー・ペーテル外務貿易相の同席で行われた記者会見で、ハンガリー北西部、ドナウ川河畔の町コマーロムに、電気自動車(EV)用バッテリーモジュールの生産施設を建設する計画を明らかにした。投資規模は148億フォリント(約54億7,600万円、1フォリント=約0.37円)で、新たに122人の雇用を創出する。また政府は、16億3,000万フォリントの補助金を同社に提供するとしている。

インジコントロールズの顧客は、アウディ、フォルクスワーゲン(VW)、コンチネンタルなどで、同社ハンガリー法人は2018年11月に設立されており、2020年に生産開始を見込む。インジグループの一員であるインジコントロールズは、エンジンや冷却システム、燃料供給部品、センサーなどの自動車部品を生産する。現在は韓国をはじめ、中国、インド、マレーシア、そして米国に生産拠点を持つが、欧州での生産拠点の設立は今回が初めてとなる。

記者会見に同席した同社ハンガリー法人のチョウ・ユン・ヒュン社長は、「ハンガリーは地理的に欧州の中心に位置し、域内物流において大きな優位性がある」と、ハンガリーを新規投資場所に選択した理由を語った。また同社では、既に現地人リーダーの採用を進め、韓国での研修も始めているとのこと。

当該分野では、サムソンSDIの進出(2018年)以降、韓国系の関連部品企業が相次いでハンガリーに進出を決めている(表参照)。投資促進庁(HIPA)は、韓国や日本の複数のアジア系バッテリー製造メーカーがハンガリーに生産拠点を構えたことが、EV関連産業の新規投資誘致の呼び水になっているとみている。

表 ハンガリーにおける主な韓国企業のEV関連生産投資

シーアールトー外務貿易相によると、ハンガリーでは現在、約50社の韓国系企業がビジネスを展開し、6,000人を雇用している。また、ハンガリー中央統計局によれば、2018年の対韓国の貿易総額は21億8,000万ユーロで、前年比で40%増加した。

(バラジ・ラウラ、本田雅英)

(ハンガリー、韓国)

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