ミャンマーへの投資、中国が日本を上回る

(ミャンマー)

ヤンゴン発

2019年07月08日

ジェトロは、ミャンマー投資企業管理局(DICA)が公表した統計と関連資料を基に、2018年度(注)の日系企業と中国企業の外国直接投資認可件数・認可額(ティラワSEZを含む)を集計し、比較を行った(表参照)。同年度の日系企業の投資認可額は3億7,500万ドル(46件)だったのに対し、中国企業の投資認可額は5億5,800万ドル(115件)と、金額・件数とも中国が上回った。両国とも、業種別では製造業の投資が多数を占めている。

表 日本と中国の投資比較(2018年度)

投資の内訳をみると、日系企業の投資はインキ、接着剤、食品、たばこ、プラスチック製品、自動車部品など、産業が多岐にわたっており、縫製品は件数でみると全体の10%を下回る。一方、中国の投資は、縫製品、製靴、製鞄など労働集約的な産業が60%以上を占めている。中国は、米中貿易摩擦の影響を避けるため、ミャンマーでの投資を増加させているとの見方もあるが、現時点では、中国本土の人件費の高騰や労働力確保の困難さを背景に、労働集約型産業の工場移転が進んでいると考えるのが自然だ。

日系は追加投資、中国は新規投資の割合が高い

日系企業の投資認可件数の半数は追加投資だが、中国企業は新規投資の割合が約85%と高い。日系企業の場合、リスクを最小化する観点から初期投資を抑えて進出し、数年稼働させた後に、想定よりも利益が出せると判断して追加投資するケースが多い。中国企業の場合は、先述のとおり、労働集約型企業の工場移転が勢いを増しており、結果的に新規投資が多数を占める。

日系企業と中国企業では進出先の違いも鮮明だ。日系は、整備されたインフラや手続き面の容易さなど、安心できる投資環境を求めてティラワSEZへ投資するケースが多い。中国は労働集約型が中心なので、その集積地であるヤンゴン市北部のラインタヤ地区やシュエピタ地区への投資が多い。

(注)ミャンマーの財政年度は2018/2019年度から10月~翌年9月に変更されたが、過年度との比較可能性の観点から、2018年4月~2019年3月を2018年度として集計した。

(田原隆秀)

(ミャンマー)

ビジネス短信 a5e1ee10b86f7baf