英国館・オランダ館がくわ入れ、ドバイ万博で各国パビリオンの建設が順次開始

(アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2019年07月11日

アラブ首長国連邦(UAE)で、2020年ドバイ国際博覧会(会期:2020年10月20日~2021年4月10日)(以下、ドバイ万博)の開催が約1年3カ月後に迫る中、会場予定地では、参加各国・機関によるパビリオンの建設が順次始まっている。

英国のリアム・フォックス国際貿易相が6月27日、着工式典であるくわ入れ式をドバイ万博公社と実施し、正式にパビリオンの建築を開始したことを発表した。人工知能(AI)と宇宙分野に関わる先端知識と「オポチュニティー」にフォーカスした英国館は、貝殻の形をした横幅52メートル、高さ20メートルの特徴的なファサード(外観)を有する予定。著名な英物理学者の故スティーブン・ホーキング博士が提唱した「ブレークスルー・メッセージ」に着想を得ており、ファサード側面に設置される無数の電光掲示板に、グローバルなメッセージがAIによって随時生成・掲示される。

6月25日には、オランダ館の政府代表を兼任するハンス・サンディ駐ドバイ総領事がくわ入れを行った。式典では「サステナビリティー」をテーマとしたオランダ館の象徴として、オランダで空気中から取り出された水の入ったボトルが万博公社へ手渡された。オランダのシフリット・カーフ貿易・開発協力相はビデオメッセージで、「地球と将来世代のために、水、エネルギー、食糧問題を総合して解決する仕組みをドバイ万博で訴える」と発表。同館には円すい型のビオトープが配置され、太陽光と空気中からの水生成システムによって食物が生産される予定。

2020年10月20日の開会式に向け、同年6月までの完成を目標に、世界約85カ国・機関が設置する予定の「セルフビルド・パビリオン」の建築工事が進められていく。現在までにくわ入れ式を行った国は上記のほか、ルクセンブルク、サウジアラビア、タイ、ニュージーランド、スイスとなっている。うち、サウジアラビア館は主催国UAE館に次ぐ規模となる敷地面積1.3ヘクタールの巨大パビリオンとなる予定で、他国に先んじて2月に建設が始まった。

(田辺直紀、安井梓)

(アラブ首長国連邦)

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