hacomo株式会社
展示会前後の専門家支援で段ボールの魅力を海外へ

デザイン(伝統産品)

富士ダンボール工業株式会社がプロジェクトベースで開発した個人向けキットのヒットを機に、社内ベンチャーとして2010年に同社を設立。「ものを作って遊ぶ楽しさを知ってほしい」「人と人のつながりやふれあいを大切にしてほしい」。そんな想いを社名の”hacomo”(=happy communication)に込めている

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世界の観光名所を組み立てられる段ボールキット”PUSUPUSU(プスプス)”

バイヤーとの商談で海外向け商品開発の必要性を痛感

当社は、段ボール製の工作キット(小さな段ボールパーツを組み立てて動物や鉄道を作る子供向けのおもちゃ)や、子供が中に入って遊べる段ボール製遊具の企画・製造・販売をしています。

「段ボール工作の楽しさを世界の子供達にも伝えたい」という想いから、いつしか海外展開への挑戦を考えるようになりました。

まずは国内で開催する海外バイヤー招へい商談会に参加。工作キットは、多くの反響を得ましたが、価格帯が合わない、海外バイヤーとの商談がスムーズにいかない等、成約に結びつきませんでした。海外バイヤーのニーズを踏まえた商品開発の必要性を痛感し、この経験は輸出戦略を練り直す契機になりました。

その後、パリで開催されるデザイン・インテリア分野の世界最大級見本市「メゾン・エ・オブジェ」の視察へ。将来の自社出展も念頭に置きつつ、海外市場・潜在顧客に関する情報収集のため、自ら現地へ足を運びました。展示会に出品された世界各国のデザイン用品や子供向け製品を見るなかで、自社新商品の構想が、海外市場に挑戦しうるという確信が生まれ、輸出意欲が一層と湧きました。

一方で、貿易実務等輸出に関する知識不足や海外バイヤーとの商談スキルの乏しさは、課題と感じていました。輸送方法や必要コストがわからず価格設定に悩み、自社単独で取り組むには限界を感じていました。

専門家と商品コンセプトやターゲットを練り直し、海外見本市で高評価!

そんなとき、2016年1月にジェトロの輸出有望案件支援サービスに応募し、専門家による支援を受けられることになりました。

まず取り組んだのは、海外市場を視野に入れてターゲットやコンセプトの明確化を徹底し、段ボールキットを大人向けのインテリアとしてブランディングすることでした。専門家と一緒に、商品の価格帯、パッケージやパンフレットの作成について検討を重ねていきました。

そうしてめでたく海外市場向けの新商品が誕生!それが“PUSUPUSU(プスプス)”です。小さな穴の開いた8センチメートル四方の台座にパーツを差し込んで建造物等を組み立てる工作キット。人や動物のパーツを建造物の周りに自由に配置することができ、日本のお城のほか、エッフェル塔やサクラダファミリアなどの欧州の建造物なども中心とする商品ラインを発表しました。

ほどなくして2016年「メゾン・エ・オブジェ」のジャパンパビリオンへの出展が決定。専門家からは事前準備として、海外企業との交渉ノウハウ、見本市での効果的な自社ブース装飾や商品展示方法について、入念なアドバイスを受けました。その効果もあって実際に見本市では、リアルで繊細なデザインの魅力が海外でも伝わることを体感できました。見本市の会期中は商談にあたって助言をもらい、出展終了後も、バイヤーとの交渉がスムーズに進むよう随時相談に乗ってもらいました。見本市前後での一貫したサポート支援は大変心強かったです。


世界の観光名所を組み立てられる段ボールキット”PUSUPUSU(プスプス)”

見本市出展の結果、欧州のミュージアムショップなどと成約し、輸出が始まりました。2017年にも同見本市への2回目の出展を決め、専門家の指導の下に取り入れたSNSの活用も功を奏し、リピートオーダーも受注しました。専門家と議論を重ね、現地企業のニーズを踏まえて設定した新商品の「商品力」と「価格力」が、高い評価を得ているポイントだと感じています。

2018年1月には、3回目の「メゾン・エ・オブジェ」出展。新規の引き合いも増えていますので、継続的なビジネスへ繋げていきたいと考えています。肌で感じた海外市場からの評価を参考に商品ラインナップも増やしており、世界各地へもっともっと「happy」を届けられるよう、今後も挑戦を続けていきます。

ジェトロ活用のメリット

欧州市場をよく知る専門家の一貫支援を受けることで、自社技術を活かした新商品の開発・価格設定・マーケティングを進めることができ、海外見本市も十分に活用できました。ジェトロでは、頻繁に貿易実務セミナーを開催しており、貿易実務相談の窓口スタッフがいたりと、地元でも手厚い支援を受けることができるのが心強いです。

ジェトロ輸出有望案件発掘支援 専門家 草野信明から

パリ見本市への継続出展を有効活用しブランドの世界観を伝えている企業です。欧州を中心に取引額を伸ばすと同時に、デザインダンボールプロダクトとしての認知度向上に繋げています

写真 ジェトロ輸出有望案件発掘支援 専門家 草野信明

hacomo株式会社 代表取締役社長 岡村剛一郎

ご利用いただいたジェトロのサービス

  • 展示会・商談会への参加
    海外販路開拓のきっかけとなる展示会・商談会への出展をサポートします。
  • 貿易投資相談
    本部(東京)、大阪本部、国内各地の貿易情報センターなどでは、お客様から電話、Fax、E-mailで寄せられるご相談にお答えします。
  • 輸出有望案件支援サービス
    輸出戦略の策定から契約締結まで専門家がお手伝いします。優秀な製品を持っていながらこれまで輸出経験がない、あるいは輸出ビジネスを躊躇している中小企業が対象です。

hacomo株式会社

香川県東かがわ市湊1858
Tel:0879-230-055
URL:http://www.hacomo.com/外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
代表者:代表取締役 岡村 剛一郎

従業員:10名
資本金:1,000万円
事業内容:ダンボール商品企画販売、ディスプレイ・家具企画販売 等
目的 :輸出
対象国・地域:欧州(スペイン、フランス、ノルウェー)、シンガポール等

2018年7月

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