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株式会社英田エンジニアリング

ジェトロの支援を受け、少ない手間と短い時間で、海外に進出できました

フォーミングロール（金型）の生産をはじめ、冷間ロール成形機・造管機などを手掛ける。20年を超える製造実績を生かし、IT技術を駆使したコインパーキングのシステムを開発・製造

岡山県美作市ウェブサイト

展開国・地域：: 2017年台湾
事業内容：: 冷間ロール成形機、造管機、無人駐車場・駐輪場管理システム、パワーボラード、印刷機関連機器などの企画設計製造販売

代表取締役社長万殿貴志氏

為替変動のリスクを見据え海外販売へのチャレンジを説得

英田エンジニアリングの製品が導入された台湾のコインパーキングの様子。現地のパートナー企業からの評価は高く、別の駐車場への導入も検討中

弊社は中国に現地法人を持っております。これまでは現地で製造した商品を日本に輸入して販売をするカタチが中心でした。いわゆる輸入となりますが、その価格が為替の変動により、20年ほど前から少しずつ上がり利益を圧迫していましたので、現地で販売も行うことで為替差損のバランスを保てないかと考えました。役員や株主からは心配の声もありましたが「人口が減少していく国内市場だけをターゲットにしていては会社の経営が困難になる。屋台骨が揺らぐようなことはしないし、ダメだったら引き上げる。」と説得し、海外販売の検討を開始しました。以前から輸入取引があり、弊社で製造しているフラップ式の個別ロック型コインパーキングがほとんど普及していなかったので、10年以上前から注目していた台湾での販売を決めました。その後、2016年からジェトロ「新輸出大国コンソーシアム」の専門家支援を得て、現地でパートナーとなる会社を見つけ事業をスタートしました。

情勢に翻弄されつつも、迅速な対応で信頼を得る

パートナー企業は、広い駐車場を持っている企業でしたが、個別ロック式コインパーキングは未導入でした。順調に精算機6台とフラップ100台を受注できたのですが、納品直前に台湾総統が選挙で交代となり、税金の徴収が厳しくなったことから納品直前のシステムを急きょ変更する必要が発生したのです。台湾では領収書発行の際、使った人間が会社コードを精算機に入力すると発行されるのですが、選挙後は、領収書の発行と同時にそのデータを税務署へも送信することが義務付けられるようになりました。システム変更は大掛かりなものでしたが、すぐに対応して3カ月程度の遅延で納品しました。この対応の速さでパートナー企業から大きな信頼を得ることができたと思います。現在他の駐車場についても具体的な商談が進んでいます。ジェトロの専門家には、現地法人設立から会社運営までさまざまな事務業務の代行会社を見つけてもらいました。他にも現地採用の事務員を紹介してくれたり、本当にいろいろと助けてくれて感謝しています。

英田エンジニアリングの台湾支社

台湾生産現場の様子。現地のスタッフに機器の組立について指導している

低コストで低リスク。ジェトロの支援に感謝

2018年には中国・上海への進出も考え、ジェトロに相談しました。市場調査のサービスと取引先の候補企業のリストアップの支援を受けました。しかし、台湾ほどにはスムーズではなく、時間がかかっています。今後、海外に進出を考えている企業は言葉の壁はもちろん、さまざまな課題を抱え一つ一つクリアしていかないといけません。それらを社長や社員だけで解決しようとすると、何度も現地に足を運ぶ必要もあり、時間を多くとられてしまいます。しかし、今回はジェトロに相談をし、専門家を派遣してもらったことで、とてもスムーズに物事を進められました。しかも、この支援については、ほとんど費用が発生していません。最低限のコストでリスクも少なく、加えてさまざまな制度がありますから、それらをうまく活用して、まずはチャレンジすることが大事だと思います。

専門家からのポイント

英田エンジニアリングは上海の製造子会社を経由して製品の販路開拓を試みました。中国の土地管理事情や駐車場習慣の違い、決済システムの違いなどで、その強みを発揮する場所を探すことができず、また展示会視察や駐車場管理関連企業の訪問をしました。今後も継続して自社の強みを発揮できる場所の確保を目指していきます。上海子会社への具体的な活動内容を示し、成果につなげていただきたいと考えています。

ご利用いただいたジェトロのサービス

新輸出大国コンソーシアム
日本企業の海外展開を支援する全国のあらゆる支援機関が結集し、海外展開にご関心をお持ちの中堅・中小企業の皆様へワンストップの支援サービスを提供します。

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