世界のマーケットに挑み、航空分野で取引を拡大

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菊地歯車株式会社

国内市況のニーズの変化に柔軟に対応し、航空宇宙関連部品の海外販路開拓に乗り出した歯車メーカーが、海外展示会を通じて取引を拡大。同分野の売上げ構成比10%を目指す。

栃木県足利市 <輸出> 対象国・地域:欧米

航空・宇宙分野の取引が拡大

菊地歯車は、自動車や建設機械・印刷関係など、幅広い産業分野に使用される歯車部品を製造する。高い精度を要求される歯車を短い納期で作り込むことを得意とし、特殊な機能や形態の歯車、ミクロン単位の精密加工部品まで全てを自社製品として受注生産している。

従来、自動車や油圧機器向けの歯車製造を主力に事業展開をしてきたが、時代のニーズの変化を読み、同社は2010年より本格的に航空・宇宙関連分野の販路開拓に乗り出した。リーマン・ショック以前、わずか2%だった同分野の売上げ構成比は、航空機マーケットの拡大に伴い2013年6月期には8.7%まで伸びた。今後、さらなる取引拡大を目指しており、将来的に10%を目標とする。

同社が活用したジェトロの主なサービス・支援

2012年2月 「横浜バイヤー招へい及び商談会(航空機器・部品企業)」参加
2012年2月 「Singapore Airshow」出展
2013年6月 「Paris Air Show 2013」出展
2013年10月 「海外バイヤー招へい@東京国際航空宇宙産業展(ASET)」参加

海外展示会への出展を重ね、ビジネスチャンスを獲得

航空機部品は使用される素材が特殊で、削るのが難しい。その上、軽量化に貢献する高精度の加工技術が求められる。同社は、とりわけ超難削と言われる材質(結晶粉末ハイス)を使った部品製造を手がける国内唯一の企業といわれ、「高精度な技術が業績を引き上げる」との信念から、自社工場内でも技術の高度化に向けた勉強会を繰り返し開催するなどして、さらなる技術力の向上とノウハウの蓄積に努めてきた。2009年、同社は国内歯車メーカーとして初めて航空宇宙産業における品質認証規格「JISQ9100」を取得。海外市場に向けた情報発信をして、新たなビジネスチャンスを掴みたいとの想いから、同社は本格的に海外展開に乗り出した。

2010年7月、「ファンボロー・エアショー」(英国)への初出展を皮切りに、各国から様々な引き合いを受け、手応えを掴んだ同社は、2012年の「シンガポールエアショー」、2013年の「パリエアショー」でもジェトロが主催したジャパン・パビリオンに継続出展した。

航空機分野は一般的に新規参入が難しい業界であるところ、同社は、自社の技術力を信じ、展示会場でも可能な限り多くの部品サンプルを展示し、顧客ニーズを汲み取る努力をするなどして、商談の具体化に向けた取り組みを行ってきた。一度、顧客の信頼を獲得して、サプライチェーンの輪に入ることができれば、むしろ、安定的なビジネスが見込める分野でもあると期待を寄せている。

こうした努力が功を奏し、「パリエアショー」では、商談を継続してきたフランスの大手メーカーから部品の生産受注を委託されたほか、複数の欧米航空機関連企業から超精密加工製品(ジェットエンジン部品、トランスミッションギア等)の製造に関する新たな引き合いを受け、数億円規模の受注を見込むに至っている。

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展示会出展風景

グローバルサプライヤーを目指して

欧米の展示会に出展すると「世界は違う」と肌で感じる。本場のエアショーはマーケットも大きく、飛行機の見せ方、飛ばし方など全てが国内とは違う。今後は、世界市場で競争できるよう社内体制も整えつつ、新規案件を量産に結びつけていきたい。同社は、グローバルサプライヤーを目指し、世界のマーケットで挑戦を続ける。

ジェトロ担当者からの一言コメント

ジェトロでは、展示会出展に際して、より多くの商談機会を効率的に得られるよう、年間を通じて、航空分野の専門アドバイザーを配置し、会期前の出展準備段階から会期中の商談アポイントメント取得に至るまで一貫した出展支援を行った。

ご利用いただいたジェトロのサービス

菊地歯車株式会社

栃木県足利市福富新町726-30
Tel:0284-71-4315
http://www.kikuchigear.co.jp/外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
従業員:140名 資本金:3,000万円

2014年3月

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