海外進出で事業拡大

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株式会社MORESCO

MORESCOは、自動車や二輪車製造に使われる特殊潤滑油を主要製品とし、中国・米国等でグローバルに展開。ミッションを活用しインドネシアに進出、潜在需要の大きいインドでの市場開拓も視野に入れ、さらなるビジネス拡大を狙う。

兵庫県神戸市 <海外進出> 対象国・地域:インド、インドネシア、タイ

特殊潤滑油分野でグローバル展開

1958年、松村石油株式会社から研究開発部門が分離独立して松村石油研究所を設立した。創業より50年を経て、2009年9月に株式会社MORESCOと社名変更し新たなスタートを切った。設立当初は高真空ポンプ油、エアフィルタ-油、石油系作動油、アルミ圧延油を開発していたが、現在は、自動車、家電製品、医薬品、衛生用品、化粧品、食料品など、日常の暮らしを支えるモノ作りに欠かせない「素材」「機能材」「接着剤」などの製品群を提供している。

主要製品は自動車業界に需要がある工業用潤滑油である。MORESCOの強みは特殊潤滑油のダイカスト離型剤で、自動車やオートバイの部品をつくる際に使われる。これは、部品メーカーのダイカストマシンで使用され、生産性向上と環境改善に貢献している。

自動車業界は、国内は縮小傾向にあるが、グローバルな観点で見ると生産台数は増加の見込みがある。1995年にタイに現地法人MORESCO(Thailand)Co.,Ltd.を設立したのを皮切りに、2001年には中国無錫市に無錫德松科技有限公司を設立、中国および東南アジアを中心にして事業基盤の拡大に取り組んでいる。2006年には米国の現地法人MORESCO USA Inc.を設立し、さらにグローバルな市場開拓を推し進めている。

インドネシア展開にミッションを活用

MORESCOは、2005年度の「ジェトロインドネシア投資・ビジネスミッション」に参加した。当時、同社は、タイ、中国、米国に続く海外拠点として、インドネシアへの現地法人の設立を検討していた。インドネシアには、代理店を通じてタイから販売をする方針であったが、販売が好調であり、市場規模の拡大も見込めたためである。

ミッションでは、ユドヨノ大統領表敬訪問への参加などの機会も得て、投資環境はもとより、政治・経済・文化などの情報を、短期間に、一括して、しかも多面的に理解することができた。また、現地の日系自動車・オートバイメーカー社長の話を直接聞けたことから、今後のインドネシアにおける同産業の大きな方向性をつかむことができた。この経験により、同社として、インドネシアを重点国として取り上げるという明確な方針を内部で作ることができた。

その後、同社は2009年7月にインドネシアに合弁先を持つ日本企業の事業部門を買収した。その買収により、インドネシアでの売上は2倍に増えている。今後の売上拡大を考えると、現地に生産拠点を設立する必要性はますます高まっているが、現状の代理店での販売を継続強化するために駐在員事務所を2010年に設立し、今後の工場の設立を視野に入れてFSを進める考えである。6年には米国の現地法人MORESCO USA Inc.を設立し、さらにグローバルな市場開拓を推し進めている。

潜在需要が大きいインドで市場開拓

インドは自動車やオートバイの潜在需要が大きいため、投資の下準備の現地調査としてジェトロによる「2005年度インド投資・ビジネスミッション」に参加し、その後代理店を設置した。しかし、インドの税法は複雑であり、輸出企業にはあまりメリットがないため、現在現地調査を行い、2011年をメドに現地法人を設立したいという考えを持っている。

アイデアレベルの段階ではあるが、低コストで競争優位性のある製造拠点をつくるために、同業各社が一緒になって一つの工場をつくるという案も持っている。MORESCOは、特にダイカストに強みがあるが、切削、グリースといった分野ごとに特有の強みを持った同業他社とコラボレーションするというものである。これらの強みを持った企業同士が一緒に進出することで、総合力としての強みが確立できると同時に、投資コストを低く抑えることができるのではないかと考えている。

ターゲットとする市場、地域としては、ニューデリーは規模が大きいが成熟化していて新規参入が難しいため、今後の需要拡大が見込めるチェンナイやバンガロール地区を視野に入れている。

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株式会社MORESCO

兵庫県神戸市中央区港島南町5-5-3
TEL:078-303-9010
http://www.moresco.co.jp/外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
設立:1958年
従業員:262名

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