生産拠点として進出したフィリピンが新たな市場に

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株式会社シマテック

パーツフィーダを生産するシマテックは、匠の技術を残すために、同業他社が進出していないフィリピンに進出。良質な製品は現地大手メーカーからも注目されるようになり、フィリピンでの事業拡大に注力する予定。

大阪府守口市 <輸出、海外進出> 対象国・地域:フィリピン

匠の技術を残すために海外へ

シマテックは、大阪に本社を置く1969年創業のパーツフィーダ・省力化機械メーカーである。業界は零細企業で構成され、職人の高齢化が進み、後継者も不足しており、採用と育成が課題になっている。「このままでは匠の技術の継承ができない」という問題意識から同社初の海外進出を決意した。フィリピンを選んだのは、日本からも近く、同業他社が出ておらず、英語でコミュニケーションが可能であり、CADシステムを使える優秀な人材が採用できるなどの理由からである。

アドバイザーと二人三脚で設立準備

2008年2月にBSCフィリピンに入居し、現地生産拠点の立ち上げに着手。工場建設地を決めたものの、予定地に電気が通じておらず急遽、発電機を購入して対応するなど、日本では考えられないような想定外の問題も多かった。BSCのアドバイザーが心強い相談相手になり、トラブル発生時の具体的なアドバイスが非常に有益であった。BSCアドバイザーとは、BSC退去後の現在も交流が続き、ビジネス上の相談をはじめ、現地の商慣習などについて良い相談相手になっている。

BSCフィリピンの魅力の一つに立地の良さがある。現地で活動をする際に、立地の良さは非常に有益であった。また、部屋はインターネット環境など設備が充実しており、広くて非常に快適であった。入居中は、ライブラリーやセミナーも利用し、現地法人設立において大変役立った。さらに、情報収集という観点からは、同時期にBSCに入居していた企業との交流・情報交換が、退去後も現地での重要な人脈となった。

大手との取引開始、他国展開の足掛りにも

BSC退去後の2008年10月、Philippine Parts Feeding Technologies, Inc.をマニラ首都圏の南部に設立。当初、海外進出の目的はフィリピンで生産したものを日本に輸出し日本国内で販売することであったが、フィリピンに進出している電機・電子・精密機器等の大手メーカー現地法人からの問い合わせがきっかけとなって取引も広がり、進出前は「生産拠点」として考えていたフィリピンが「市場」となった。フィリピンでの競合は、中国メーカーなどであるが、価格ではなく品質の良さを保つことで、安定した受注を受け続けている。今後はフィリピンでの事業拡大に注力するとともに、他のアジア諸国への事業展開も視野に入れている。

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株式会社シマテック

大阪府守口市金田町1-13-23
TEL:06-6902-2882
http://www.pfd.co.jp/外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
設立:1993年5月
従業員:国内7名 海外11名

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