埼玉の味をバスクから! ‐美食の街の発信力を生かす‐

2019年03月07日

世界の食通から注目を集めるスペインのバスク州。中でも、“美食の街”として知られるサン・セバスティアンは、ミシュランの星付きレストランやバルを目当てに多くの外国人でにぎわう。今、埼玉の食品関連の企業が連携し、バスクから世界に向けて食の魅力を発信しようとする動きがある。参加するのは川越に店舗を構える老舗の醤油メーカーや漬物メーカーなど6社。製造と小売りの現場を訪れ、商機を探るなか、地元の料理大学では、有名シェフやバイヤーに向けプレゼンテーションを行った。食のプロたちに埼玉の食材とともに食文化を知ってもらい、使ってもらうのが狙いだ。美食の街の発信力を活用し、海外展開につなげていこうとする地域の取り組みを追った。

(11分32秒)

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テキスト解説:視覚障害のある方のための文字おこしテキストです。

映像説明: ジェトログローバルアイオープニングタイトル。 薄い青を基調としたコンピューターグラフィックスの背景画。 世界地図から飛び出した、中が空洞になった地球儀が、 回転しながら拡大表示される。 さらに世界のさまざまな都市の画像が周囲を取り巻きタイトルが現れる。 「世界は今ジェトログローバルアイ」

映像説明: スタジオ。 地球儀と都市の画像をバックに、女性キャスターが入ってくる。 濃いピンクのワンピース姿。

テロップ: 宮瀬 茉祐子(みやせ まゆこ)

宮瀬キャスター: 世界は今ジェトログローバルアイ。 世界の美食家から注目を集める地域がスペインにあります。 北部のバスク州です。 近年、そのバスクとの交流により、食を切り口とした観光で地域の活性化を図ろうとする動きが日本各地にあります。 そうしたなか、埼玉県では、インバウンドにとどまらず、バスクから世界に向けて食の魅力を発信し、輸出や海外展開につなげようとする取り組みが始まりました。

テロップ: 埼玉の味をバスクから! ‐美食の街の発信力を生かす‐

映像説明: 穏やかな青い海と人のまばらな砂浜。その奥に大きな観覧車が立ち、市街が広がる。街を取り囲むように山が連なっている。

ナレーション: スペイン、バスク州にあるサン・セバスティアン。

映像説明: 海沿いの小高い丘に住宅が立ち並び、雑木林が広がる。画面右下の四角い枠にスペインの地図のイラスト。フランスの南に位置するスペインのほぼ中央にマドリードがある。バスク州はスペイン北部の海に面した州。サン・セバスティアンは州の北東部、フランスとの国境に近い海岸沿いの街で、地図の中で赤い星で示されている。 小高い山の頂上にそびえる大きな像。山のふもとに建つ、茶色い屋根の集合住宅を見下ろすように立っている。

テロップ: 世界一の 美食の街

ナレーション: ここは、バスクの中でも食の中心地で、世界一の美食の街と呼ばれている。

映像説明: 街のなか。車の少ない静かな通りを2人の男性がゆっくりと歩いていく。通りの奥には先のとがった塔が立っている。 どっしりとした石造りの建物にある店の入り口。入口の上には「Kokotxa」というロゴ文字の看板がある。 入り口の横に取り付けられた赤い正方形のプレート。白い線で円が書かれていて、その縁の中に白字で「MICHELIN 2019」と書かれている。「MICHELIN 2019」の赤いプレートのアップ。 クリーム色(いろ)の建物に、大きなこげ茶色(いろ)の扉がある別の店の外観。 こげ茶色(こげちゃいろ)の扉には「Angelia」という四角い看板があり、呼び鈴の上には赤い正方形の「MICHELIN 2019」のプレートが掲げられている。

ナレーション: 人口は、19万人弱という小さな街ながら、ミシュランの星付きのレストランが密集。 人口あたりの星の数は世界トップレベルだ。

映像説明: 雨上がりの細い路地。通りの両側の建物から、さまざまな形の看板が突き出ている。通りを歩く人々のほとんどが傘をささずに歩いている。 飲食店のバーカウンター席。カウンターのテーブルの上には、さまざまな軽食が盛られた皿が並んでいる。数人の男たちがカウンターでビールを飲んでいる。カウンターのなかでは、男性店員たちが、せわしなく動いている。 白い内装の明るい別の店内。カウンターに置かれた軽食を見つめるコートを着た4人の女性たち。 20種類ほどの軽食が、プレートや大皿に載ってずらりと並ぶ。 きれいに並べられた軽食。背の高いものや、丸い形のもの、バゲットを使ったものなど、多くの種類が用意されている。

テロップ: ピンチョス

ナレーション: そして、サン・セバスティアンの最大の魅力は無数の「バル」。 細い路地に軒を連ね、多くの客で活気に満ちている。 バルの定番料理といえば、小さなおつまみ「ピンチョス」。

映像説明: カウンターに立つ男性店員が軽食を1つ皿に取り分ける。 赤い皿に放射状に盛り付けられた軽食。斜めにカットしたバゲットの上に、ピーマンとアンチョビが載っている。 スライスしたバゲットに、ハム、ゆで卵、エビを載せて串で刺した軽食が黒いプレートの上に2つ並んでいる。

ナレーション: イベリコ豚の生ハム、アンチョビにパプリカなど目にも鮮やかな一品ばかりだ。

映像説明: カウンターの中で、黒いシャツを着たシルバーヘアの男性店員が高い位置から白ワインをグラスにつぐと、腰のあたりに持っていたワイングラスをカウンターの向こう側に差し出す。 別の店。大きなカニが置かれたカウンターの後ろで、口ひげを生やした店員が高い位置から白ワインをついでいる。 多くの人でにぎわう店内。年配の男性や、リュックを背負った男性などが立ったまま談笑している。 カウンターに並んだ何種類(なんしゅるい)ものピンチョス。バゲットの上に白いクリーム状のもの、ハムのような赤い肉、茶色いペーストを重ねた一品も置かれている。 石畳の路地。ベビーカーを押す女性や子供の手を引く家族から、若者、お年寄りまで、さまざまな人々が行き交っている。

ナレーション: こうした庶民的なバルや一流レストランの味を求めて、ヨーロッパをはじめ、世界中から多くの人々が訪れる。 サン・セバスティアンは「美食の街」として観光客を集め、地域の活性化に成功している。

映像説明: 交通量の多い道路沿いに、瓦屋根の日本家屋が並ぶ街並み。建物の前の車道は、こちら側に向かう方の1車線が渋滞している。

テロップ: 埼玉県 川越市

ナレーション: この地で、食のPRに挑むのは、埼玉県の食品関連の企業だ。

映像説明: 紺色の日よけ幕が掛かった蔵のような、黒い外壁のどっしりとした2階建ての建物。1階の店舗にはオレンジ色(いろ)の明かりがともる。 軒屋根に掲げた木の看板には、筆文字の書体で「金笛(きんぶえ)、笛木醤油(ふえきしょうゆ)」と書かれている。 室内。木のはりの横に丸い照明がつるされている。照明の下では、女性2人と男性8人が、資料が置かれたテーブルを囲んでいる。 テーブルの端に座る、襟に「笛木醤油(ふえきしょうゆ)」と書かれた紺の法被を着た男性。集まった人たちに向けて話をしている。

ナレーション: 海外からの観光客が増加している川越市の企業を中心に、オール埼玉でバスクから食の発信をするプロジェクトが始動した。 メンバーは、老舗の食品メーカーなど6社。

映像説明: 真剣な表情で、ノートパソコンや資料を見ながら話し合う一同。 グレーに黒のストライプが入ったニットを着る男性と眼鏡をかけてカウチンニットを着た男性が話し合っているようす。 資料をめくりながら、話に聞き入る2人の男性参加者。 小さくうなずきながら話を聞く白いシャツに黒いベストを着た男性参加者。端に座るカウチンニットを着た男性が身を乗り出すように話している。

ナレーション: ジェトロのサービスなどを活用し、海外展開に取り組んできた企業もあるが、地域でのヨーロッパへの輸出の取り組みはこれから。 今回は、埼玉県産業振興公社と連携し、チームで埼玉の食を売り込む。

映像説明: 襟に「笛木醤油(ふえきしょうゆ)」と書かれた紺の法被を着た男性がうなずき、笑いながら話をする。 薄暗い室内。片手いっぱいに載った薄い茶色の粒。 頭に白いタオルを巻いて、両襟に「笛木醤油(ふえきしょうゆ)」と書かれた紺の法被を着た男性が、一面に広げた薄い茶色の粒の上に、手の甲で払うように粉をまぶしている。 両手で粒をすくって鼻に近づけ、においを確かめる。 足元にいくつもの巨大な桶がはめ込まれた部屋。両襟に「笛木醤油(ふえきしょうゆ)」と書かれた紺の法被を着て、紺の前掛けをした男性が、長い棒で桶の中をかき混ぜる。

ナレーション: チームの代表を務めるのは、川越(かわごえ)に店舗を構える創業220年の醤油(しょうゆ)メーカー、笛木社長だ。 川越(かわごえ)とバスクには、ともに伝統的な製法を、代々家族で受け継いできた食品企業が多いという共通点がある。

映像説明: 真新しい小ぶりの木の桶を囲み、頭にタオルを巻いた両襟に「司製樽(つかさせいたる)」と書かれた紺の法被を着たスタッフ2人と、眼鏡をかけた白いTシャツを着た男性、眼鏡をかけて黒いTシャツを着た男性が微笑む。 のれんのかかる室内。両襟に「笛木醤油(ふえきしょうゆ)」と書かれた紺の法被を着た男性がインタビューに答える。 直径30cmほどの容器に入ったぬか床(ぬかどこ)を手でかき回している。 中に入れた野菜が隠れるように、ぬか床(ぬかどこ)の表面をきれいにならしていく。 のれんのかかる室内で両襟に「笛木醤油(ふえきしょうゆ)」と書かれた紺の法被を着た男性のインタビューが続く。

テロップ: 笛木醤油(ふえきしょうゆ) 笛木 吉五郎 社長

笛木社長: 埼玉の魅力は職人。 小さな企業かもしれないけど、おー、すばらしい職人がいて、 その職人の、こう、クラフトマンシップ、モノづくりに対する思いっていうのが、すごく結集している地域だなと思うので、 その埼玉の、こう職人の良さ、まあ埼玉クラフトっていうのをぜひ、スペインのバスクで発揮したいなというふうに思ってます。

映像説明: アルファベットで書かれた店の看板が並ぶ石畳の広場。笛木社長と男女6人がゆっくりと歩く。

テロップ: スペイン サン・セバスティアン

ナレーション: 2019年2月、一行はスペインのバスクを訪れた。

映像説明: 肉の塊に小型のナイフを当てる黒の半袖シャツに赤いエプロンをつけた大柄な男性。男性の前のショーケースの中や上には、多くの肉の塊やハムなどの加工品が並んでいる。 ショーケースの中のオリーブ。シャベルのようなスプーンとともに、緑(みどり)や黄色(きいろ)、黒などのオリーブが大きなボウルに入れられている。ボウルに付けられた値札(ねふだ)には9.85ユーロと書かれている。

ナレーション: 食品工場や市場(いちば)の視察、デパートでの商談などを行う。

映像説明: 2階建てのコンクリート造りの建物。外壁に「basque culinary center(ばすく くりなりー せんたー)」のロゴが刻まれている。建物の前の芝生にはアルファベットで「bcc」を型取った黒いモニュメントが建っている。建物は中庭を挟み込むような構造で、両端(りょうはし)の傾斜した壁に、ソーラーパネルが取り付けられている。テロップ: バスク・クリナリー・センター Basque Culinary Center(ばすく くりなりー せんたー)

ナレーション: そして、メインイベントは、世界でも珍しい4年制の料理大学でのワークショップだ。

映像説明: 建物の中の調理場。炭が燃える大型のオーブンの前でグレーのコックコートを着た男性が身振りを交えながら、白衣(はくい)に赤いエプロンをつけ、白い帽子をかぶった生徒たちに話をしている。 話し終えたグレーのコックコートを着た男性が生徒たちに向かって大きくうなずく。 調理台で生徒たちを前に、ナスに切り込みを入れる。 生徒の一人がリズミカルに玉ねぎを薄切りにしていく。

ナレーション: この大学では、料理人(りょうりにん)やレストラン経営者、食品関連企業のリーダーを育成するほか、食に関する研究やマーケティングも行っており、世界的な食の中核施設としての地位を確立している。

映像説明: 大きなキッチンのある教室。キッチンカウンターには、「Communication through Food Culture SAITAMA BASQUE since 2019」と書かれた横断幕が下がっている。キッチンの正面には備え付けの机といすが並ぶ。両襟に「笛木醤油(ふえきしょうゆ)株式会社」と書かれた法被を着た笛木社長が、小さなフライパンで食材を焼いている。 キッチンカウンターに貼られた「Communication through Food Culture SAITAMA BASQUE since 2019」と書かれた横断幕。鐘の付いた高い塔とえんじ色(いろ)の4つの羽根が回っているようなデザインのマークと、はしとフォークの絵が描かれている。

ナレーション: 今回、ここで、料理人(りょうりにん)やバイヤーなど、食のプロや学生に向け、プレゼンテーションを行う。

映像説明: キッチン横のテーブルに、笹の葉が2枚ずつ敷かれた白い皿がずらりと並ぶ。 笹の葉の上には、きゅうりやなす、沢庵など6種類の試食品が彩りよく盛り付けられている。 金属のトレーに並んだ懐紙には、鐘の付いた塔の模様のもなかや、抹茶のどらやき、薄皮で餡をはさんだ菓子、リボンの形に結んだあめ細工、市松模様の小さな四角いあめ細工が盛り付けられ、黒文字が添えられている。 キッチンのテーブルに「彩花(さいか)しょうゆ」と書かれたラベルのある小型のペットボトル入りのしょうゆと、「スイーツにかける」と書かれたラベルのあるしょうゆの小瓶が並べられている。

ナレーション: 食通の人たちに食文化や食材を知ってもらい、使ってもらうことで、そこから世界へ発信しようという狙いだ。

映像説明: テーブルに置かれた「彩花(さいか)しょうゆ」と書かれたラベルのある小型のペットボトル入りのしょうゆと、「金笛(きんぶえ)」と書かれたラベルのあるプラスチックボトル入りのしょうゆ。 建物の外。大きなガラス窓の横で、手ぬぐいを頭に巻き、両襟に「笛木醤油(ふえきしょうゆ)」と書かれた紺の法被を着て、頭に手ぬぐいを巻いた笛木社長がインタビューに答える。

テロップ: 笛木醤油(ふえきしょうゆ) 笛木 吉五郎 社長

笛木社長: バスクは今、世界で一番の、まあ美食の街と言われてて、 やっぱりここで、あのーこう、埼玉の魅力を発信することが、 やっぱりさらに世界に、あのー埼玉をPRこと…することにつながるんじゃないかなと。

映像説明: 大きなキッチンのある教室。階段状になった備え付けの座席に、数十人の男女が座っている。 机に広げた資料に目を通したり、スマートフォンを操作したりしている。

ナレーション: 会場は、新たな食材や食文化に関心を持つ人たちで満席となった。 埼玉を知る人は少なかったが、さまざまな種類の和食を食べた経験がある人ばかりだ。

映像説明: 教室の窓際で、緑のパーカーを着たグレーヘアの男性が、インタビューに答える。

テロップ: バイヤー Euskalasia(エウスカルアジア) ホセ・ラモン・サバンド さん

サバンドさん・スペイン語: 外国の新しい食べ物を試したいといった関心が高まってきている。 サン・セバスティアンは小さな町だが、 マドリードやバルセロナと比較しても、その関心が強い土地柄だ。

映像説明: フレームの上の部分だけ黒縁の眼鏡をかけ、水色のシャツにグレーのVネックニットを着た男性が、教室内の座席でインタビューに答える。

テロップ: 1つ星レストラン Zuberoa(スベロア) ヒラリオ・アルベライツ シェフ

アルベライツシェフ・スペイン語: 料理というものは伝統的でありながらも革新的であるべき。 新しいものを取り入れることで、可能性が広がる。

映像説明: 教室内。埼玉からの一行やスタッフたちがテーブルの横に並んで立っている。笛木社長やかっぽう着を着た女性、白衣(はくい)を着た2人の男性が座席に向けて笑顔でポーズをとる。 両襟に「笛木醤油(ふえきしょうゆ)株式会社」と書かれた法被を着た笛木社長がキッチンに立ち、説明を始める。 後ろの壁にはキッチンを上から撮った映像を映す大型のモニター。座席に座る人たちが正面の笛木社長をじっと見つめている。 足元にたくさんの巨大な木桶がはめ込まれた部屋。法被を着て、頭に手ぬぐいを巻いた男性が長い棒で木桶の中をかき混ぜている。 木桶の表面。赤茶色のつぶつぶとしたもろみ。 頭に手ぬぐいを巻いた男性が長い棒を桶の中から引き上げている。

ナレーション: そんな参加者に、埼玉の食は響くのか? まず登壇した笛木社長。 しょうゆの製造方法を説明するなかで、今では珍しい木桶で発酵、熟成させる伝統的な製法についてアピール。

映像説明: 木桶の表面。赤茶色のもろみ。ところどころ、小さな泡がぶつぶつと吹き出ている。 もろみの表面に丸く浮き出る小さな泡のアップ。 教室のキッチンに並べられた3つの小さな木桶。左から、大きめの粒が入った茶色のもろみ、やや小さめの粒が入ったどろりとした茶色のもろみ、粒が小さい赤茶色のもろみがそれぞれ入っている。

ナレーション: 一般的なしょうゆより2倍以上の時間をかけ、熟成させることで、香りが高くコクが出るという。

映像説明: キッチンに立つ笛木社長が3つの木桶の中から真ん中の木桶を取り上げて、説明をする。次に、その右にある赤茶色のもろみが入った木桶を手にする。

笛木社長: 3ヵ月発酵熟成させたもろみと、 絞る前の約2年、発酵熟成させた物を持ってきました。

映像説明: 教室内の階段状になった備え付けの座席。試食用の黒い小皿を受け取る最前列に座るチェックのシャツにグレーのニットを着た男性。口をもぐもぐと動かしている。 白い豆腐のようなやわらかい食べ物にしょうゆが掛けられたものが入った黒い小皿のアップ。 参加者たちが、黒い小皿に入った、しょうゆのかかった白い食べ物を口に運ぶ。 せんべいをかじる眼鏡をかけ、紫色の長袖シャツを着て、眼鏡をかけたグレーヘアの男性。 周りの参加者たちも手や口を動かしている。

ナレーション: しょうゆを使ったスイーツなどの試食を振る舞った笛木社長。 これまでアジアなどへしょうゆを輸出してきたが、食の発信力が高いヨーロッパへの進出で、ブランド価値を高めたいという。

映像説明: 髪を後ろに束ね、ライトグレーのTシャツを着た若い女性がインタビューに答える。

ライトグレーのTシャツを着た女性・スペイン語: せんべいもスイーツにかける醤油(しょうゆ)も初めて食べたが、とても気に入った。

映像説明: 和服にかっぽう着を着た女性が、キッチン横のテーブルで資料を見ながら説明をする。 まな板に置いた2本のきゅうりに塩を振り、両手で転がして板ずりをする。 ぬか床(ぬかどこ)に、半分に切ったカブやきゅうりを入れていく。 キッチン横のテーブルで和服にかっぽう着を着た女性が説明を続けている。

ナレーション: 笛木社長とともに発酵食品のプレゼンテーションを行ったのは、漬物メーカーの染谷さん。 江戸時代の創業以来、手作りの製法を守りながら、伝統的な漬物を作り続けてきた企業だ。 これまで、海外では漬物はまだ知られていないということを感じてきたという。

映像説明: 和服にかっぽう着を着た女性が、大きなガラス戸のある室内でインタビューに答える。 2枚の笹の葉を敷いた皿に盛り付けられた漬物など6種類の試食品。 教室内の座席に座る参加者が、割りばしを使って漬物を口に運ぶる。 大きなガラス戸のある室内で話を続ける和服にかっぽう着を着た女性。

テロップ: 河村屋 大宮本店 染谷 静香 店長

染谷店長: 漬物っていう、まあ日本の伝統食品が、あのヨーロッパの方(かた)にどういう風(ふう)にこう、映るのかっていうのを、 まあいつか輸出ってなったときに、どんな糸口を…で攻めていくかっていうのをつかみたくて。

映像説明: 2枚の笹の葉の上に漬物などが並んだ白い皿。教室の座席に座るグレーのセーターを着た男性が、隣に座る黒いフレームの上の部分だけ黒縁の眼鏡をかけた男性と話をしている。

ナレーション: これまで漬物を食べたことがない人がほとんどだったが…

映像説明: 後ろのほうに座っている、グレーのTシャツの上に黒いジャンパーを着て、左耳にピアスをした若い男性がインタビューに答える。

グレーのTシャツの上に黒いジャンパーを着てピアスをした若い男性・スペイン語: ポリポリとした食感(しょっかん)で、とてもおいしい。

映像説明: 楕円形(だえんけい)の盆の上に盛り付けられた3色の串団子や煮物。桃の花や陶器の人形、薄くむいた大根を巻いて筒にしし、明かりを灯したランプも一緒に載っている。

ナレーション: 日本の四季を表現した「八寸」の説明や

映像説明: はしを使って、小さなどんぶりに入ったラーメンを食べる男性参加者たち。 キッチンのテーブルの上。金属のトレーに、厚くスライスされたチャーシューが並べられている。スタッフが、新たにチャーシューの入ったビニールの袋を開ける。 小さなどんぶりに入ったラーメン。のり、チャーシュー、半熟卵、メンマが載っている。

ナレーション: 和風のだしを使ったラーメンも振舞われた。 ラーメンのチャーシューは、小江戸(こえど)黒豚という埼玉県産の豚肉を使用している。

映像説明: 左胸に「彩々楽(ささら)」という文字が刺しゅうされた白衣(はくい)を着て、黒縁の眼鏡をかけ、口ひげを生やした男性がキッチンで説明をしている。

テロップ: 彩々楽(ささら) 栗原 正生(くりばら まさお) 代表

ナレーション: 埼玉で日本料理店やラーメン店などを営む、彩々楽(ささら)の栗原(くりばら)さん。

映像説明: 教室内の座席でラーメンを食べながら話を聞く参加者たち。 時折、食べる手を止めて説明に聞き入る。 はしやフォークで麺を口に運ぶ女性参加者。

ナレーション: 日本のだしの文化を世界に広めたいと、アメリカでも、カツオと昆布(こんぶ)のだしを使ったラーメンを提供している。

映像説明: 白衣(はくい)を着た栗原(くりばら)代表が、黒のカットソーを着たセミロングの女性スタッフとともに、座席の最前列に座る紫色の長袖シャツを着て、眼鏡をかけたグレーヘアの男性の前に立つ。 白衣(はくい)を着た栗原(くりばら)代表が右手を差し出すと、紫色の長袖シャツを着て、眼鏡をかけたグレーヘアの男性と力強く握手をする。 白衣(はくい)を着た栗原(くりばら)代表が少し横に移動して、レンガ色(いろ)にベージュのストライプの長袖Tシャツを着た若い女性と、英語で話をする。

ナレーション: 今回、ヨーロッパでの店舗展開の可能性を探りたいと参加した。

レンガ色(いろ)にベージュのストライプの長袖Tシャツを着た若い女性・英語: これまで食べたことのあるラーメンより、軽くて食べやすい。

栗原(くりばら)代表・英語: この地域の人に好まれると思う? ここでビジネスを検討しています。

レンガ色(いろ)にベージュのストライプの長袖Tシャツを着た若い女性・英語: みんな大好きだと思う。

映像説明: 暗くした教室。あめ細工用のランプの明かりが、白いあめを手で伸ばす様子を照らし出す。 白い茶碗の中で茶せんを素早く動かして抹茶をたてている手元のアップ。 参加者の机には、懐紙に載せたどらやきやもなかなどの和菓子と、小さな湯呑茶碗が置かれている。

ナレーション: あめ細工の実演や地元のお茶、河越(かわごえ)抹茶、和菓子の試食も振舞われた。

映像説明: 教室の最前列に座るアルベライツシェフがインタビューに答える。 キッチンで、左胸に「彩々楽(ささら)」という文字が刺しゅうされた白衣(はくい)を着た男性が、大根のかつらむきを実演している。 薄くむいた大根を巻いて筒にして、端をようじで止め、筒の中のろうそくにマッチで火をつける。オレンジにともる大根のランプを八寸の盆に載せる。

テロップ: 1つ星レストラン Zuberoa(すべろあ) ヒラリオ・アルベライツ シェフ

アルベライツシェフ・スペイン語: 私たちに伝統的なバスク料理があるように、 伝統的な日本料理(にほんりょうり)を知ることは貴重な体験だった。

映像説明: 座席の並ぶ教室で紫の長袖シャツを着て、眼鏡をかけたグレーヘアの男性がインタビューに答える。 白い豆腐のようなやわらかい食べ物にしょうゆが掛けられたものが入った黒い小皿。 座席の並ぶ教室で、紫の長袖シャツを着て、眼鏡をかけたグレーヘアの男性の話が続く。

テロップ: 菓子職人 RAFA GORROTXATEGI(らふぁ ごろちゃてぎ) ラファ・ゴロチャテギ 社長

ゴロチャテギ社長: 醤油(しょうゆ)をスイーツに使うことが試せて良かった。 私にとって驚きで、とても気に入った。 醤油(しょうゆ)を使ったトゥロン(スペインの伝統菓子)を試作してみようと思う。

映像説明: キッチンの前に置かれた小さなテーブルを囲む、ヘッドホンを付けた男女と笛木社長、栗原(くりばら)代表。 埼玉からの一行が、現地のスタッフたちとともに、「Communication through Food Culture SAITAMA BASQUE since 2019」の横断幕を持ち、笑顔で集合写真を撮る。

ナレーション: バスクの人たちからは、埼玉の伝統的な食文化への関心の声が多く聞かれた。

映像説明: いくつもベンチが置かれた広い遊歩道。道の先には大きな観覧車が建っている。 古い建物が立ち並ぶせまい路地。多くの人が行き交う。 クリーム色(いろ)の建物の外観。茶色のドアの上には、古めかしい紋章が飾られている。

テロップ: 美食倶楽部

ナレーション: 一行は、バスクに19世紀から続く、伝統的な会員制の社交場(しゃこうば)、「美食倶楽部」を訪れた。

映像説明: 広い室内。テーブルとベンチがいくつも並び、壁には風景画が飾られている。埼玉からの一行が室内の奥へと進む。 部屋の一角に設けられた調理場。エプロンをつけた現地の男性たちが調理台に食材を広げて作業をしたり、チーズを切ったりしている。 ガスコンロには、圧力鍋が置かれている。 鍋の中には具のたくさん入ったスープ。木のしゃもじで鍋の中をかき混ぜている男性がほほえむ。

ナレーション: 男性たちが調理方法を共有し、食事を楽しむ。 こちらのメンバーは5日に1回、こうした会を開いている。

映像説明: フライパンで揚げた細切りのピーマン。鮮やかな緑にうっすらと焦げ目が付いている。 金属のトレーには、香草(こうそう)を振りかけた調理済みの手羽先がたくさん載っている。 テーブルについて食事をする美食倶楽部のメンバー。黒いベストを着た男性が、テーブルの中央に置かれた鍋からスープをよそう。 調理したチキンやピーマンなどを口に運ぶ美食倶楽部のメンバーたち。 会話を楽しみながら食事をする2人のメンバー。

ナレーション: サン・セバスティアンには、100を超える美食倶楽部があり、伝統的なクラブには紹介者と推薦人(すいせんにん)がいないと入会できない。 親から子へ、先祖代々受け継がれていくのだという。

映像説明: 瓶のビールが置かれた大きなテーブルを囲んで話し合う埼玉からの一行。 黒のジャケットを着た現地の男性の隣に座る笛木醤油(ふえきしょうゆ)の笛木社長が、話をしている。 茶色のカウチンニットを着た栗原(くりばら)代表が身振りを交えて話をする。

ナレーション: 美食の街の背景にある、この場所を特別に借りて、今後の活動についての話し合いが行われた。

栗原(くりばら)代表: 食に興味のある人たちの意見を聞く…。

映像説明: 白いシャツにライトグレーのカットソーを着た笛木社長がアイデアを出す。 眼鏡をかけ、黒のジャケットを着た年配の男性が笛木社長の話にうなずく。

笛木社長: 川越でバスクのフェアをやったりだとか、なんか共同でメニューを開発したりとか。

映像説明: 現地の美食倶楽部のメンバーとともに、グラスを掲げて笑顔でポーズをとる埼玉からの一行。

ナレーション: 今後、このプロジェクトは、埼玉県内で参加企業を拡大し、バスクのシェフや食品企業などとの交流を予定している。

映像説明: 外壁に彫刻が施された石造りの建物の前で、黒縁の眼鏡をかけ、口ひげを生やし、茶色いジャケットを着た栗原(くりばら)代表がインタビューに答える。 色鮮やかな野菜が並ぶ市場(いちば)。青いダウンジャケットを着た笛木社長が、大きな緑の唐辛子を手に取って鼻に近づける。 市場(いちば)の別の店の前。栗原(くりばら)代表が、赤いコートにリュックを背負った若い男性参加者と野菜を見ながら話しをする。 外壁に彫刻が施された石造りの建物の前で、栗原(くりばら)代表の話が続く。

テロップ: 彩々楽(ささら) 栗原 正生(くりばら まさお) 代表

栗原(くりばら)代表: バスク地方というのは非常に、食べ物を文化として捉えるという、そういう認識が高いなと、そう感じました。 ただ単に、その、ラーメンをやるということではなくて、 日本(にほん)文化である“だし”の文化を広めていきたいなということを考えたときに、 食べ物を文化として捉えてくれてる人々、捉えてくれてる地域で、 そういったことを発信できるっていう可能性があるということが分かったのは、非常に有意義であったなと。

映像説明: 栗原(くりばら)代表と同じく、外壁に彫刻が施された石造りの建物の前で、青いダウンジャケットを着た笛木社長がインタビューに答える。 精肉店が並ぶ市場(いちば)。黒いリュックを背負い、カーキ色(いろ)のフード付きのコートを着て、カメラを首から下げた参加者と話をしながら、ショーケースの横を笛木社長が歩いていく。 店先に並んだハムのパッケージを指さしながら会話をする2人。 オリーブを売る店の前。カウンターの奥にたくさんのボトルが並んでいる。ショーケースの前で店員と記念写真を撮る参加者たち。栗原(くりばら)代表がオリーブの盛られた(もられた)白い小皿を手にしてポーズをとる。 外壁に彫刻が施された石造りの建物の前で、笛木社長のインタビューが続く。

テロップ: 笛木醤油(ふえきしょうゆ) 笛木 吉五郎 社長

笛木社長: 食に対するアンテナが高くて、 もちろん知識や見識もある方たちに理解してもらって、その方(かた)たちにもし使ってもらえたら、 たぶん絶大な、まあPRの、広告の効果があるんじゃないかなって感じてます。 埼玉には秩父だったりとか、そのほかいろんな地域があります。 そういった地域をもっと連携させて、より力強く埼玉っていうのを発信できればいいかなというふうに思います。

スタジオの宮瀬キャスター: 実は私もバスクへ行って、バルのピンチョスやスイーツを楽しんできました。 しょうゆを使ったスペインのお菓子もぜひ食べてみたいです。 バスクの料理人に埼玉の食材が使われて、そこから世界へ広がっていくといいですね。

映像説明: 宮瀬キャスターがお辞儀をする。

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